西日本豪雨でJRが不通の呉-広島に特例バス JRと広島電鉄が緊急車両用の区間走行

西日本豪雨被害でJR呉線が不通。緊急車両用の道路を走る通勤・通学用の特例バスに多くの人が並んだ=17日午前5時23分、広島県呉市(彦野公太朗撮影)
西日本豪雨被害でJR呉線が不通。緊急車両用の道路を走る通勤・通学用の特例バスに多くの人が並んだ=17日午前5時23分、広島県呉市(彦野公太朗撮影)【拡大】

 西日本豪雨の被害で移動できないJR呉-広島駅間の代替交通手段として、広島県やJR西日本、県バス協会は16日、通勤・通学者向けの特例バスを17日から運行すると発表した。現在は緊急車両のみが通行できる広島呉道路の通行止め一部区間を走り、渋滞を回避するとしている。

 バス運行は県やJR、広島電鉄などが協力する。

 JRのバスは、JR呉線三原-海田市駅間の不通区間を一部でも含む定期乗車券(ICOCA定期券を含む)、普通回数乗車券を持っていて、今月6日までに購入した人が対象となる。

 呉-広島駅間を1日約30便運行。呉駅は午前5時半以降、広島駅は午後6時半以降に順次出発する。

 JRは呉港-広島港(宇品)間の船も合わせて運航する。1日1便で、呉港を午前6時35分に出航。車や自転車などの乗り入れはできない。

 JRの定期券などを利用していない人は広島電鉄のバスを利用できる。JR呉駅と広島バスセンター(BC)を結んで1日片道16便運行する。

 乗車場所は、広島方面行きが呉駅前5番ホームで午前6時22分から。呉方面行きが広島BC6番ホームで午前6時35分から。運賃はクレアライン線と同様の720円。

 県によると、通勤・通学で呉-広島間を往復している人は約9千人。西日本豪雨被害の影響で呉-広島間の国道31号の渋滞が深刻化し、通勤・通学者から交通の代替手段へのニーズが高まっていた。

 湯崎英彦知事は「車を相乗りしたり、なるべく分散して移動したりしてもらうなどの協力が必要。代替手段でも全ての需要が満たされないので、さらなる(手段を)確保していきたい」と話している。