85歳でも現役、素朴でやさしい味わい提供 息ピッタリで定食屋で働く「なにわの双子姉妹」 (1/3ページ)

南船場の定食屋「十代橘」を営む85歳の双子のおばあさん十代都喜子さん(右)と葛野都司子さん=大阪市中央区(薩摩嘉克撮影)
南船場の定食屋「十代橘」を営む85歳の双子のおばあさん十代都喜子さん(右)と葛野都司子さん=大阪市中央区(薩摩嘉克撮影)【拡大】

 大阪・南船場の定食屋「十代橘(じゅうだいたちばな)」で、85歳の双子姉妹が現役で活躍している。生後直後に離ればなれになったが、後に双子と知り、支え合いながら苦難を乗り越えてきた。戦争や借金、病気…。苦労を重ねた人生だったが、それでも2人は「双子で良かった」と朗らかだ。明るい笑顔はさしずめ「なにわのきんさんぎんさん」。店内は、素朴でやさしい味わいの料理と2人を目当てに訪れるお客さんでにぎわっている。(中井美樹)

 双子なのに親戚として

 十代都喜子(じゅうだいときこ)さん(85)と葛野都司子(くずのとしこ)さん(85)の姉妹は昭和8年、堺市の建築資材業を営む家に生まれた。当時、「双子は縁起は悪い」と言われ、妹の都司子さんは生後すぐ母方の実家に引き取られ、伯父夫婦の実子として育てられ離ればなれになった。

 親戚づきあいはあったが、姉妹とは知らなかった2人。7歳のときに、都司子さんの育ての両親が病気で相次いで亡くなった。

 20年、堺の市街地が焼けた空襲で、都司子さんの家が全焼。双方の家族が一緒に住むようになった頃から、「自分たちは双子ではないか」と感じ始めていたという。都司子さんは「遠慮していると、ことあるごとに(都喜子さんが)気にかけてかばってくれた」と振り返る。

本当の双子だと成人してから知る