日本の公的年金は原則20歳以上の国民全てが加入し、保険料を支払って高齢者への給付を賄う「世代間の仕送り方式」で成り立つ。人口構造に合わせた制度の見直しが避けられず、受給開始年齢の引き上げも議論される。
国民年金と厚生年金の基礎部分は原則65歳からの受給だが、現在は個人の判断で60~70歳の間で選ぶことができる仕組み。60~64歳を選ぶと毎月の受給額は減額、66~70歳は増額される。
政府は、働いて保険料を払う「支え手側」に元気なシニアを移行させたい考え。受給開始を遅らせた場合の増額対象を70歳超にも広げることで、長く働きたい高齢者に選択肢を増やす方向で検討している。