鉄は「生き物」、現場経験生かす 丸一鋼管の基幹工場で工場長が感じる手応え (1/3ページ)

現場経験を生かし、高品質の鋼管製造を指揮する成崎敏行さん=堺市西区の丸一鋼管堺工場
現場経験を生かし、高品質の鋼管製造を指揮する成崎敏行さん=堺市西区の丸一鋼管堺工場【拡大】

 建築物の柱や自動車の部品、標識のポールなどに幅広く使われる鋼管。大阪市に本社を構える世界有数の鋼管専業メーカー、丸一鋼管の堺工場(堺市)は、同社では国内最大の生産量を誇る基幹工場だ。工場長を務める成崎敏行さん(51)は、鉄の性質や機械の扱い方を覚え込んだ現場での経験を生かすとともに、従業員と積極的にコミュニケーションを取り、求心力を高めている。(牛島要平)

 堺港で約15万4千平方メートルの敷地面積を持つ堺工場には従業員約200人(協力会社を含む)が勤務。全国でも希少な設備を備えており、丸一鋼管グループの月間国内生産量の3分の1にあたる約2万2千~2万4千トンの鋼管を生産する。

 成崎さんは昨年5月に工場長に就任した。工場長には品質保証部門の出身者が就くことが多く、生産部門出身で、しかも比較的若くして堺工場のような基幹工場を任されるのは珍しい。

 「他工場で代替できない製品を全国に向けて出荷している。受注状況に合わせて生産計画をどう組むかに気をつかう」と成崎さん。工場の設備は定期的に止めて点検する必要があり、タイミングの見極めが大事になるが、「現場を知っているので、機械の点検時期もつかみやすい」と話す。

「育てた場所」でもある