【地方で生きる】自然栽培の可能性(下)日本の食のセーフティーネット

ミャンマーは農業の革新に力を入れる国一つだ
ミャンマーは農業の革新に力を入れる国一つだ【拡大】

 日本の食料自給率をご存じでしょうか。平成29年度は38%で、近年は横ばい傾向です。米国130%、フランス127%、ドイツ95%。これらの先進各国と比べても、日本の自給率が低いことがよく分かります。

 日本の農家の9割以上は肥料を使っていますが、その原料はほぼ全てを輸入に頼っているのが現状。国も肥料の安定供給のため、新たな輸入先の開拓を進めていますが、世界的な人口増加などを踏まえると、肥料にかかるコストは徐々に上昇し、農家の経営を圧迫していくことが予想されます。

 この問題を解決するためにも、農薬や肥料を使わずに作物を育てる「自然栽培」の持続可能な農業モデルを確立することが必要です。日本の食のセーフティーネットとなり、日本の農業をさらに強くすることができると思っています。

 また、地方には多くの耕作放棄地があります。その土地を使い、自然栽培を行うことで、地域に新しい産業を生み出すことができると考えています。

 ところで、ミャンマーも農業の革新に挑戦している国です。人口約5141万人(2014年)のうち約7割が農家で、日本の耕作可能面積の約2倍の農地があります。しかし、水牛車で田を耕す地域もあるほど発展途上です。食料自給率も低く、農業改革プロジェクトに着手しています。農業指導者として招聘(しょうへい)された私は、ミャンマーで自然栽培による農業の発展と、農家の所得向上を目指し、2国間を行き来する生活を送っています。

 日本とミャンマーでの持続可能な自然栽培の農業モデルの確立が、それぞれの国の食と国益を守る取り組みになると信じ、これからも邁進(まいしん)していきます。(ビオアグリ代表取締役・柏木大樹)=おわり