セキュリティー分野でテレワーク支援 ソリトンシステムズ

サテライトオフィスからのテレワークで普段顔を合わせる事が少ない社員とのコミュニケーションも増える
サテライトオフィスからのテレワークで普段顔を合わせる事が少ない社員とのコミュニケーションも増える【拡大】

  • 「SecureAccess」の概要図
  • ホームICT事業部部長の望月匠氏
  • 移動中の隙間時間もモバイルワークで有効活用
  • 離れた場所からでもPC画面を転送する事でオフィスと変わらない生産性を実現

 働き方改革のひとつとして、場所や時間にとらわれずに柔軟な働き方を実現する「テレワーク」が注目されている。政府も昨年から全国の企業や官公庁が足並みをそろえてテレワークを実施する「テレワーク・デイズ」を定め、普及に力を入れている。ただ、ノートパソコンやタブレットなどを外部に持ち出すテレワークは、オフィスで仕事するのに比べて端末の紛失やデータの漏えいなどが起きやすく、万全なセキュリティー対策を施す必要がある。ITセキュリティー事業を手掛けるソリトンシステムズはこうしたニーズに対応し、テレワークのさまざまなシーンに応じたセキュリティーソリューションを取りそろえ、普及を後押ししている。

◆さまざまなシーンに応じる3製品 

 テレワークというと、パソコンを使った在宅勤務のイメージが強いが、それだけではない。移動時間や隙間の時間を利用してスマートフォンやタブレットで次の予定をチェックしたり、メールの返信をしたりするケースなどさまざまなシーンが想定される。

ソリトンシステムズは「SecureAccess」(セキュアアクセス)として3つのセキュリティーソリューションを用意している。具体的には、セキュリティー機能を付けた専用ブラウザ「SecureBrowser(セキュアブラウザ)」、保護領域を作って業務ファイルを編集する「WrappingBox(ラッピングボックス)」、外出先でもオフィス同等の仕事ができる「SecureDesktop(セキュアデスクトップ)」の3ソリューションだ。

 ソリトンシステムズ社内の「ワークスタイル変革WG」のメンバーでもあるホームICT事業部の望月匠部長は、自らテレワークを積極的に実践することで感じた課題や問題点などを、より良い製品作りのためにとプロダクト部にフィードバックしている。望月氏は「この3つのソリューションをシーンに応じて選択したり、組み合わせる事で、最適なセキュリティー環境が構築できる」と話す。この3製品に共通しているのが、「端末を落としても、データは落とさない」という思想だ。パソコンやスマホを紛失しても、機密情報などのデータは漏らさないのが売りモノ。さらに同社のもう一つの強みは、デジタル証明書を使った端末認証の仕組みがあることだ。IDやパスワードがわかってもデジタル証明書がインストールされた端末でなければ、ネットワークにアクセスできず、情報流出の危険を回避できる。

◆ニーズに応えるソリューションが充実

 「SecureBrowser」は社内システムやクラウドアプリケーションなどを外部から利用する際に、セキュリティーを担保した状態でメールや業務ファイルなどが閲覧できる専用ブラウザだ。通常のブラウザと同じ感覚で操作できるので、利便性や生産性を損なうことがない。

 また、「WrappingBox」は、Windows端末に入っているアプリを高度なセキュリティー技術でラッピング(包み込む)するソリューション。ブラウザ経由ではなく、アプリを使って文書や表計算などの業務ファイルを編集する際に有効だ。オフライン環境でも利用できるため、長時間の移動や出張中にも活躍する。また、編集した業務ファイルは分離領域を閉じると消去されるので端末に情報が残らない。編集中のファイルがあった場合、自動でファイルサーバーへのアップロードも可能だ。

 そして「SecureDesktop」は、パソコンのデスクトップ画面を別のノートパソコンやタブレットなどに画面転送する、リモートデスクトップと呼ばれるソリューションだ。ITセキュリティ事業部プロダクト部の長束育江氏は「Windows上でしか使えない特殊なアプリなども別端末から利用でき、普段のオフィスのデスクトップと同じ環境を再現できる」と強調する。操作は手元の端末で行うが、接続先はオフィスのパソコンなので、やはり端末には情報は残らない。

 この3つは、総務省の「テレワークセキュリティガイドライン第4版」に掲載されている「テレワークの方法に応じた対応の考え方」に掲げられた6パターンのうちの3つに該当している。

 働き方改革関連法が成立し、ますます働き方改革の動きが本格化する中、今後テレワークに取り組む企業が増えるのは間違いない。こうした追い風を受けながら、ソリトンシステムズはさらにソリューションの充実に力を注いでいる。そのひとつがワークライフバランスを考慮したセキュリティーソリューションの開発だ。望月部長は「例えば、育児や介護で在宅勤務などに取り組む人には、固有のニーズがある。使う人の立場に立ちながら、それらのニーズにどうアプローチしていくかを次のフェーズとして検討している」と話す。

 さらに、同社はパソコンのログ管理製品も取り扱っていることから、「テレワークでの仕事を会社がどう評価するのか、労務管理についてのソリューションについても検討が必要」(望月部長)としている。ソリトンシステムズは、ニーズに応えるソリューションを充実させることで、テレワークセキュリティー分野でトップシェア獲得を目指している。

◆「テレワーク・デイズ」に参加 有効性を確認

 政府が主導する「テレワーク・デイズ」が昨年に引き続き、7月23日から5日間にわたって行われた。2回目の今年は昨年の約1.5倍の1500団体、人数では4倍強の約29万人が参加。ソリトンシステムズは、セキュリティーのニーズを探る狙いからも昨年から参加している。昨年から少しずつ実施人数を増やし、これまでにテレワークトライアルに参加した社員延べ23人、その管理者13人にアンケートを行い、サテライトオフィスや自宅での生産性など効果を検証した。

 結果として、生産性が「上がった」、「変わらない・下がらない」と回答した社員が合計で約70%を占め、テレワークをしても生産性は概ね維持できる事が確認された。「下がった」と回答した人も大部分はオフィスに比べて自宅の椅子や机が使いにくいなど、作業環境に関する理由が多く、解決のめどは立っている。今後もテレワークを利用したいと回答した人が95.7%だったこともあり、ソリトンシステムズは「テレワークは生産性を維持しつつ多様な働き方の仕組みとして有効なことが確認できた」と評価。その一方で、部内で積極的にテレワークを導入したいかという設問に対し「思う・少し思う」と回答した人は61.5%と控えめだったため、ソリトンシステムズは「今後は個人単位のテレワークから組織単位でのテレワーク効果の検証を進めていく必要がある」としている。