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2次元で3次元を描く!? 世界へ名を轟かせる革新的な立体造形物[FLATS/大分県国東市] (1/3ページ)

【ONESTORY】CTスキャンで輪切りにしたような、インパクトある立体造形物「FLATS(フラッツ)」。セレクトショップやミュージアムショップで、あるいはアート展示会やデパートのショーウィンドウで、一度は目にしたことがある方も多いことでしょう。では商品を手に取って、そのパッケージの裏書きを見てみます。そこには、思わぬ文字が記されます。「大分県国東市」。いまや世界からも注目を集めるスタイリッシュで革新的な作品は、のどかな里山の風景が残る山間の町で生み出されていたのです。大分から世界に名を轟かせる「FLATS」、その誕生秘話や製作の背景を探りに、国東市を訪ねました。

舞台は大分県の里山にある廃校になった小学校。

大分県国東市。空港から少し離れるだけで、周囲は緑濃い山々と田園が織りなすのどかな景色に変わります。車に乗って30分ほど。聞いていた住所に到着すると、そこには小学校がありました。そう、この廃校になった小学校を拠点に「FLATS」を製作する国東時間株式会社は運営されているのです。

出迎えてくれた代表・松岡勇樹氏に案内され、まずは内部を一周。構想を練るアトリエがあり、過去の作品がずらりと並ぶ展示室があり、加工場があり、会議室があり、在庫が積まれた倉庫がある。つまり初期構想から企画、製作、梱包、発送まで、「FLATS」のすべてが、この校舎内で完結しているのです。文字通りのメイド・イン・国東。では、その誕生のストーリーを伺ってみましょう。

もともと建築設計の仕事をしていた松岡氏。ある時、友人のデザイナーが出店する展示会でマネキンを使う必要に迫られました。しかし市販のマネキンは高額。ならば作ってしまおうと、マネキン製作に取り掛かります。「作ってみるか」というライトなスタートではありましたが、取り掛かってみるとそれは、簡単な道ではありませんでした。

試行錯誤を経て誕生した組み立て式段ボールマネキン。

素材として「いわば必然的」に選んだのは、身近にあり、安価で、加工が容易な段ボール。しかしいざ折り曲げてみると、どうしても滑らかな曲線ができない。曲面ではなく多角形になってしまう。何度も試行錯誤を繰り返す時間が続きます。

そんな時、突如松岡氏にあるアイデアが湧きました。それは2次元の平面を積み重ねることで立体を表現するという方法。仕事柄、立体を平面で考えることに慣れた建築家らしい発想です。

手書きでデザインを起こし、段ボールをカッターで切って作った第一号のマネキン。「段ボールのトルソー」の意味で「d-torso」と名付けられました。しかし当初は展示会で通常のマネキンとして使用するだけで、販売をする予定もなかったのだといいます。

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