人手確保に悩む農家と働き手のニーズをマッチング 日本を縦断する「アルバイトリレー」も (3/4ページ)

主流は通年雇用

 農業・酪農の求人専門サイト「あぐりナビ」を運営する株式会社アグリメディア人材紹介事業部の石塚貴史部長は「年間を通した雇用にシフトしなければ、人材確保はこの先どんどん難しくなる」と指摘する。

 同サイトは登録者約1万8千人のうち、20~30代が64%を占める。短期雇用で人気があるのは、群馬県嬬恋(つまごい)村のキャベツ農家や、長野県川上村のレタス農家など、日当1万円以上でボーナスも支給される好待遇求人のみ。掲載されている約1400件の求人のうち約9割が通年雇用の募集で、最近は通年雇用のために作物を増やしたり、無料で入居できる寮を用意したりする農家も増えている。

60歳以上のアルバイトが多くを占める西吉野選果場=奈良県五條市

60歳以上のアルバイトが多くを占める西吉野選果場=奈良県五條市

 それでも需要に供給が追いつかず、最近はさらに「将来の独立サポート」や「夫婦・カップルで働ける」など、独自の特典をアピールする求人も。石塚部長は「将来を見据え、人材を育てたい農家も増えている。ここ2、3年で時給換算で平均60~100円ほど賃金も上がっていて、待遇は今後も良くなっていくのでは」とみるが、若者を引き寄せられるかは未知数だ。

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