【ビジネス解読】健診ビジネスの主役、「メタボ」から「快眠」へ交代 (2/3ページ)

三菱地所が仮眠効果の実証実験に使う新本社の仮眠室(三菱地所提供)
三菱地所が仮眠効果の実証実験に使う新本社の仮眠室(三菱地所提供)【拡大】

  • 「スリーブメディカルピーロー」を手にする、愛媛大学医学部付属病院睡眠医療センターの岡靖哲センター長(左)とアンミンピローの高戸菊夫社長=松山市
  • 「シエスタ」で仮眠をとるヒューゴの従業員(左の2人)。事情があれば仕事をするのも自由だ=大阪市中央区の同社本社
  • JR東海が乗務員の睡眠不足対策で導入した仮眠室。ミス低減に威力を発揮している=大阪市東淀川区の同社大阪第2運輸所

 ひと昔前なら、職場で仮眠すれば「洗面所で顔を洗ってこい」などと上司に一喝されそうだ。しかし、ここ数年、社員の健康管理を経営的な視点で戦略的に実践する健康経営が注目されてきた。海外では、グーグルやアップル、マイクロソフトなど米IT大手が仮眠を推奨している。日本でも、これまでプライバシーの領域として自己管理に任せていた睡眠について、企業が積極的に改善を促すようになってきた。

 企業向けの睡眠改善のプログラムを提供しているベンチャー企業のニューロスペース(東京都墨田区)は、KDDIや三井物産、東京電力グループのTEPCOi-フロンティアズ(同千代田区)などと実証実験した。プログラムは、都内の心療内科、睡眠外来のクリニックと提携して作成され、睡眠に関するトラブルを解消する。

 ニューロスペースの小林孝徳社長は、中学生の頃から睡眠に悩まされており、その経験が起業のきっかけになった。外食、IT、物流などの業界ごとや、夜勤、デスクワーク、立ち仕事などの勤務形態ごとに集めた睡眠に関するデータの収集・分析力が強みとなっている。

 快眠ビジネスが盛り上がっているのは、日本人の睡眠時間が減ってきていることがある。

日本の睡眠不足による損失は15兆円!