中途採用拡大へ、政府の未来投資会議 新卒一括見直し推進、協議会も設立

未来投資会議に出席する安倍晋三首相(手前から2人目)=22日、首相官邸
未来投資会議に出席する安倍晋三首相(手前から2人目)=22日、首相官邸【拡大】

 政府の未来投資会議は22日、全世代型社会保障の構築に向け、高齢者の就業拡大や新卒一括採用見直しといった雇用改革と病気・介護予防について議論した。議長の安倍晋三首相は、新卒一括採用見直しに対し、中途採用に積極的な企業による協議会を設立し、雇用慣行を変革する運動を展開する考えを明らかにした。

 首相は、中途採用拡大に関し「私自身も先頭に立って熱心な大企業を集めた協議会を創設し、運動を展開したい」と強調。高齢者の就業拡大については、来年夏までに具体的制度の方針を決定した上で、「早急に法律案を提出する方向で検討したい」と述べた。

 会議では、政府からそれぞれのテーマについて論点を提示した。新卒一括採用の見直しをめぐっては、特に大企業に伝統的に新卒一括採用が残っているとし、「通年採用による中途採用の拡大を図る必要がある」と指摘。具体的な対応策として、「中途採用協議会」による優良事例の共有や企業の評価・報酬制度の見直し、中途採用比率の情報公開などを挙げた。

 65歳以上の就業拡大では、「70歳までの就業機会の確保を図る」と確認したが、60代後半は前半と違い個人ごとに健康状態なども異なることから、多様な選択肢を準備するとともに、法改正は段階的に行うべきだと強調。当初は一定のルール下で企業の裁量を認めるとの方向性を示した。

 また、医療・介護予防に努力する健康保険組合などの優遇措置を大幅に強化する方針も明記した。