18歳から「大人」 若者向けマネー講座が活況 (2/2ページ)

 セミナーでは、若者が巻き込まれやすいトラブルや犯罪の例も紹介された。

 例えば「アルバイト詐欺」。悪徳業者が、金融会社の審査内容を調べる調査会社などを装って「カードを作るだけのアルバイトで日給数万円。作ったカードはこちらで処分する」などと嘘を言って誘いこむ。アルバイトは架空で、カードを使って多額の金が引き出されてしまう。

 「トラブルの例、内容を知っておくだけで、こうした詐欺被害に遭う確率も下がります」と徳永さん。受講していた3年生の近藤里美花さん(18)は「詐欺を見抜けず信じてしまいそう。18歳で成人なんて無理。気をつけないと」と不安げな表情で話した。

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 18歳から「大人」になるのなら、トラブル対策ばかりでなく、家計の基礎知識も身につけておきたい。実家を離れて暮らす下宿生が多いマロニエファッションデザイン専門学校(大阪市北区)は毎年、同社による「金融経済教育セミナー」を、希望する生徒向けに開いている。

 ファッションビジネス学科の猪又俊希さん(18)は「高校を卒業して数カ月。社会に出るにはまだ少し不安がある。知識を身につけて、1つ1つの判断を大切にしたい」と気を引き締めていた。

 徳永さんは「一人で悩みを抱え込まず、信頼できる身近な人を頼り、相談窓口も利用してほしい」と話していた。