思わず「これは面白い!」…“理系のイメージ”覆した東工大生たち (1/3ページ)

 【安西洋之のローカリゼーションマップ】「この科学技術が世の中に出ることが、本当に良いことなのか?」「社会で問題になった科学技術をひくにひけないと立ち止まるのではなく、ひきやすくするシステムを考えるのが必要では?」

 10月28日、東京工業大学で開催された「未来社会DESIGN機構」キックオフのイベントに参加した。冒頭の発言は複数の学生のものだ。

 同機構が中心となり、学内だけでなく学外の人たちと協力しながら「未来社会像」を作っていく。イベントには大学生・教職員・高校生・一般社会人など100人以上が集まり、「ボーダーを超える」をテーマに話し合った。

 進行として、登壇した1人の研究者が10分間、自分の研究課題で問いをたて、会場の参加者が4人で一組になり意見やアイデアを出していく。そしてまた他の研究者が別の問いをたてるのだが、その時話し合うグループは別のメンバーで構成する。

 課題は通信技術・環境・創薬の3つだったので、合計9人の異なる人たちと顔を合わせたことになる。そして1つのテーマの議論の後、他のグループの意見が発表される。したがって冒頭のようなセリフは、特に一部の学生の特別な意見ではなく、学生の間でふつうにあるとの印象をもった。

 学生たちから「浮ついた」アイデアばかり出ると思っていたぼくは、「これは面白い!」と思わず呟いた。

 他方、教員は既に世の中に「(研究者の意思とは関係なく)出てしまった」社会的に問題ある技術に対して、どちらかといえば苦渋の表情をみせざるを得ない。結果として、冒頭のようなセリフが瞬間的には出にくい。

 良くも悪くも経験の有無が発言のスピードと方向を決めている。

今まで抱いていたイメージと逆だった