高い購買力・情報発信力…企業が熱視線 共働き高収入夫婦「パワーカップル」 (1/4ページ)


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 共働きで高収入の夫婦を指す「パワーカップル」という言葉を聞く機会が増えてきた。全世帯に占める割合は1%程度と少数だが、高い購買力と新しい物への感度、情報発信力の高さから、さまざまな企業が有力なターゲットとして注目している。三菱総合研究所が行った「パワーカップル」についての調査からは、「時短」「ワークライフバランス」といったキーワードも見えてきた。(加藤聖子)

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 三菱総研の定義では、「パワーカップル」は共働きで、夫の年収が600万円以上、妻が400万円以上で世帯年収が1千万円以上の夫婦を指す。

 同じ世帯年収1千万円以上でも、夫が1人でほとんどを稼ぐ家庭と比べると、パワーカップルの月間消費支出総額は約1・4倍も多いという。調査会社「エム・アール・アイ リサーチアソシエイツ」のアナリスト、小川歌織さんは、「同じ世帯年収でも2人で稼いでいるほうが、万一、どちらかに何かがあっても安心という感覚があり、消費意欲も増すのではないか」と分析する。

 三菱総研の調査をひもとくと、夫婦ともに管理職など、社会的地位が高いケースが多かった。会員制交流サイト(SNS)での情報発信に積極的で、新商品に対する感度も高い。主にネットユーザーなど人々の購買の意思決定に影響を及ぼす「インフルエンサー」の役割を担っていることが分かってきた。

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