孫正義社長はなぜ身銭を切らず成功できたのか (4/4ページ)

 これも、すでに実績を上げている会社を取り込めば、ゼロから事業を立ち上げるより速く確実に成功を収めることができると考えたからです。

自分自身をプロデュースする精神

 天才経営者と言われる孫社長でさえ、他人の知恵を積極的に借りているのです。

 これからビジネスや事業を立ち上げるビジネスパーソンも、すでにある成功モデルを遠慮なくどんどん活用しましょう。

 今回、私が著した『最速! プロマネ仕事術』は、私がソフトバンク時代に、孫社長のむちゃぶりに対して、次々とプロジェクトマネジメント(プロマネ)を立ち上げ、チームとしていかに成功に導いていったかを書いています。

 今、私が独立して思うのは、このプロマネの精神は、チームとしての仕事だけでなく、自分に対してもできるということです。一社会人として自分自身をプロデュースしていくことは、まさに「セルフ・プロジェクトマネジメント」に他なりません。

 ぜひ、孫社長のように、自分に対して、組織に対して「プロマネ力」を発揮していきましょう。

 三木雄信(みき・たけのぶ)

 トライオン代表取締役

 1972年、福岡県生まれ。東京大学経済学部経営学科卒。三菱地所を経てソフトバンクに入社。27歳で同社社長室長に就任。孫正義氏のもとで「ナスダック・ジャパン市場開設」「日本債券信用銀行(現・あおぞら銀行)買収案件」「Yahoo!BB事業」などにプロジェクト・マネジャーとして関わる。2006年に独立後、ラーニング・テクノロジー企業「トライオン株式会社」を設立。『孫社長のYESを10秒で連発した 瞬速プレゼン』(すばる舎)『「英語は1年」でマスターできる』(PHPビジネス新書)『すごい「数値化」仕事術』(PHP研究所)など著書多数。

 (トライオン代表取締役 三木 雄信 写真=iStock.com)(PRESIDENT Online)