【著者は語る】坂口孝則氏『未来の稼ぎ方』 統計とデータから20業界の未来を予想


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 統計とデータから20業界の未来を予想

 これから20年、世界で何が起きるのかを書いた本です。20業界を取り上げ、ジャンルは「コンビニ」「自動車」「インフラ」「音楽」「宇宙」「AI」「終活」など多岐に渡ります。

 未来予想本はあふれています。その多くが、かなり夢のようなものを描きます。それに対して、本書では統計とデータをもとに書きました。データ源もすべて記載したので検証可能です。調べ直せば、会社の企画書も作成できるはずです。

 本書は、その年までに政治・経済・社会・技術がどのように変化していくのかを書き、その根拠を提示し、さらにビジネスのヒントとなるような商品提案も書いています。きっと、経営企画のような方だけではなく、ビジネスパーソン全般に楽しんでいただけると信じています。

 人生は100年になるといわれる一方で、会社の寿命は短くなっています。一つの業界、一つの仕事だけではまっとうできなくなる時代です。複数の業界知識が重要になっています。

 私が勧めたいのは、「何屋さんかわからない」仕事です。以前は、ときとして批判された、ふらふらした軸の定まらない立場こそ大切ではないでしょうか。

 実際、いま注目を浴びている人は、複数の仕事をかけもちしています。科学者で、アーティストで、かつ経営者。カメラマンで、漫画家で、コンサルタント。もはや、一つのカテゴリーで定義できないような個人に、人々は新たな世界を創造する息吹を感じているはずです。

 だいぶ前から世界は複雑系に支配されているとわかってきました。単純な一つの理論では、世界を予想できるはずはありません。多動力をもって、さまざまな分野を横断的に、かつスピーディーに試行錯誤することが求められています。本書はあくまで、いまのデータから予想できる内容であって、正解とは限りません。ただ、本書を読み、少しでも気になったら、行動に移してみる。現場に飛び込んで現物と現実を確認する。これがセットでなければなりません。

 イノベーションとは奇想天外な発想から生じる、というよりも、ささやかな工夫と発見の積み重ねの果てに発見されるものです。ご自身の知識に加え、本書で描いた世界の見取り図が、なんらかの化学反応を起こすと私は期待しています。(980円+税 幻冬舎新書)

                  

 【プロフィル】坂口孝則

 さかぐち・たかのり 調達・購買コンサルタント、未来調達研究所株式会社取締役、講演家。2001年、大阪大学経済学部卒業後、電機メーカー、自動車メーカーに勤務。原価企画、調達・購買、資材部門に従事。製造業を中心としたコンサルティングを行う。テレビ、ラジオなどのコメンテーターとしても活躍。著書は『牛丼一杯の儲けは9円』『営業と詐欺のあいだ』『1円家電のカラクリ0円・iPhoneの正体』『仕事の速い人は150字で資料を作り3分でプレゼンする。』など20冊を超える。