【書評】『夢の猫本屋ができるまで』井上理津子・著


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 ■事業化への経緯を詳細に記録

 東京都世田谷区の住宅街にある「キャッツミャウブックス」は、猫に関係のある本しか置いていない書店。

 保護猫が「店員」としてお客を迎える。収益の一部を保護猫団体に寄付している。

 〈猫が本屋を助け、本屋が猫を助ける〉をコンセプトにする小さな店を開業したのは、書店経営とは無縁だった会社員。

 首都圏の書店を取材し続けている著者が、猫本屋の企画から事業化までの経緯を記したノンフィクションである。

 資金集めから店舗作り、PR、大手取次を通さず新刊本を扱う手法まで詳細に記録している。本屋の魅力と可能性を再認識できる。(ホーム社、1700円+税)