茅葺き屋根の集落が日本の原風景を描き出す、美しき「隠れ里」。[菅並集落/滋賀県長浜市] (2/2ページ)

将来に受け継ぐべき農村の景色。

「国や県が積極的に保存しないと、将来的にはこうした風景はなくなってしまう」と、アレックス氏

「国や県が積極的に保存しないと、将来的にはこうした風景はなくなってしまう」と、アレックス氏

五条のような商人の町でもなければ、宿場町でもありません。菅並集落は、農家です。この成り立ちがまた興味深くもあります。遠目には美しく保存されているようにも見えますが、残念ながら時代とともにどんどん壊されているのも事実。国や県のプロテクションがかかっておらず、自治体も関心を持っていないようなので、このままではいつかなくなってしまうでしょう。もちろん、この希少な集落を保存しようと活動している人や関心のある住民もいるようですが、将来を心配しています。興味がある人は見ておくべきです。集落の奥には立派なお寺「洞寿院」もあり、境内からは集落の街並みも見下ろせます。この美しい景色がいつまでも残ることを祈るだけです。

住所:滋賀県長浜市余呉町菅並 MAP

Alex Kerr(東洋文化研究家)

1952年生まれ。イエール大学で日本学を専攻。東洋文化研究家、作家。現在は京都府亀岡市の矢田天満宮境内に移築された400年前の尼寺を改修して住居とし、そこを拠点に国内を回り、昔の美しさが残る景観を観光に役立てるためのプロデュースを行っている。著書に『美しき日本の残像』(新潮社)、『犬と鬼』(講談社)など。