【書評】『100年人生の生き方死に方』久恒啓一・著

 ■81人の含蓄ある箴言まとめる

 人生100年時代。本書は医学や文学、美術などの分野で活躍し、90歳以上で亡くなった81人の箴言(しんげん)を紹介する。107歳まで生きた彫刻家の平櫛田中(ひらくし・でんちゅう)は「六十、七十は鼻たれ小僧、男ざかりは、百から百から」と残した。亡くなる直前まで制作を続けた大家らしい。

 さすがに長く生きているだけあって、どれも味わい深く含蓄がある。ついつい納得。「出る杭(くい)は打たれるが、出すぎた杭は誰も打てない」(起業家、堀場雅夫)

 多摩大学副学長の著者は全国にある偉人の800以上の記念館を訪ね、資料や書籍を入手して言葉を集めた。その行動力もすごい。(さくら舎、1512円)