高齢者の骨折 “連鎖”止める対策が急務に (1/3ページ)

 骨粗鬆(こつそしょう)症で骨がもろくなったり、筋力低下で転びやすくなったりすることで起こる「脆弱(ぜいじゃく)性骨折」。中でも高齢者の大腿(だいたい)骨近位部(脚の付け根)の骨折は命に関わることがあるほか、寝たきりを招くなどQOL(生活の質)低下にもつながる問題だ。高齢化の進展で脆弱性骨折の患者は増加しており、対策が急務となっている。(平沢裕子)

 ◆手術待機に4日

 「高齢者の骨折は世界中で起こっている大きな問題。特に女性にとっては深刻だが、治療や予防の効果的な取り組みが行われていない国は少なくない」。こう指摘するのは、英・ロンドン大整形外科名誉教授で、「脆弱性骨折ネットワーク(FFN)」事務局長のデビッド・マーシュ博士。2011年にマーシュ博士が立ち上げたFFNは、脆弱性骨折の最善の治療と適切な2次骨折予防が提供されるための研究と提言を行っている団体だ。

 適切な予防や治療が行われていない国には日本も含まれる。日本の問題の一つは、骨折後にすぐに手術ができないこと。骨折後の手術は36時間以内が望ましいが、日本では手術の待機期間は平均4・4日だ。

 また、日本では手術後、「免荷(めんか)」といって荷重をかけずに骨が付くのを待つ期間を設けることがある。若い人は問題ないが、高齢者では長期間体を動かさないと、筋力が低下し歩くのが難しくなる。実際、大腿骨近位部骨折の場合、術後1年で骨折前と同じように歩くことができた人は4分の1にとどまり、半数で介助が必要となっている。

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