ビジネスパーソン大航海時代

大企業とスタートアップの働きがいの違いって? 「いいとこ取り」もできる!~航海(3) (2/4ページ)

小原聖誉
小原聖誉

◆「山」を動かせるかがポイントに

 ここまでは図体の大きさゆえの辛抱の話でした。しかし、やると決まった後のダイナミズムはスタートアップでは味わえないものがあります。イベントにスポンサー協賛する費用も社内に潤沢にありますし、そこで知り合った業界のトップランナーと大きい金額の契約も可能です。残念ながら私は出来ませんでしたがサービスが立ち上がり軌道に乗ればテレビCMを打つことも資金調達せずに現実的に可能です。

 大企業は、「山」を動かせればめちゃくちゃ面白いことがあまりリスクなく出来る場所です。

 「PDCA」のフレームワークの優先順位でいえば大企業はP(Plan…計画)とC(Check…評価)が重要です。いかに正しくプランできるのか、実行したあとにプラン通りに行っているのか、が評価のポイントになります。

 待遇面では残業代はもちろん出ますし、福利厚生制度も整っており、ブラックということはあり得ません。しかも潰れる可能性はほぼない。どっしりと安心して多くの人に使ってもらうサービスの企画提供が出来ます。そこまでの信用を社内で獲得する過程が大切な職場と言えるでしょう。

 スタートアップと比較して働く環境の課題としては、“入社時の初心の維持向上”が挙げられそうです。自分一人が役に立つ実感は乏しいので「やらなくても良いか」となりがちで、あまり怒られることもありません。そうなると徐々に志が落ちてきてしまうかもしれません。自分でキャリアをペースメーキングする意思が必要です。

◆スタートアップの特徴とは?

 一方、スタートアップは、事業をつくっていくときの視点として「今の世の中にどんなサービスを提供すればヒットするのか」を考えます。まず成長性から参入市場を絞り、参入領域の深い情報を知るために、内情に詳しい有識者とコミュニケーションをします。彼らが知っている情報に合わせれば市場視点とフィットするため、事業の成功確率が上がるからです。

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