社長を目指す方程式

社長になる人はビジョン達成のために“メンバリング”に徹底的にこだわる! (3/4ページ)

井上和幸

 企業の求人票によくありがちなこととして、「そもそも、御社のこの事業部や部署の体制、役割、テーマは何か(台本)」「理想的な構成、フォーメーションはどのようなものだと考えているか?(演出プラン)」「その理想の状態に近づくために、今回、当該ポジションにはどのような人が適しているか(配役設定)」などがあまり明確になっていないままに、一般概要的な職種募集の内容となっていることがあります。

 凡庸な台本には二流三流の役者しか集まってきませんし、どんなに口説いたって一流の役者を集めることなど叶いませんよね。

「組織作り」とは上演のための舞台稽古

 さあ、ドラマ台本に基づいた役者たちを集めることができました。

ここから「組織作り」です。

 台本があって配役に割り当てられた役者たちが集まってくれても、これではまだ、ドラマは動き出しません。

ここからは集まった役者たち一人ひとりに役の真意や意味、価値をしっかり説明することで動機付け(これが真の「キャスティング」です)、本読みから舞台稽古に入り、監督であるあなたは彼ら彼女らに演出をつけます(「育成」ですね)。そうして、いざ本番! 上演を迎えます。

 「キャスティング」→「舞台稽古」→「演出」→「上演」が、「組織作り」のプロセスとなります。

 どうでしょう? ピンときましたでしょうか?

 舞台稽古でもドラマの撮影のためのリハーサルでも、役者(俳優、女優たち)や監督・助監督・撮影監督らが、実際に台本通りにリハを繰り返しながら、「ここはもっとこうしたほうが良いね」「ここは冗長だから削ろう」というような台本の修正を(こだわる組・班であればあるほど)行なっていきます。企業人である我々的に言えば、PDCAをガンガン回すという感じでしょうか。

 ドラマでもミュージシャンのコンサートでも、あるいはアスリートたちの試合においても、その準備としてのリハーサル、稽古、トレーニングには一流であればあるほど物凄い時間と負荷、情熱が注ぎ込まれます。それが、私たちに感動を与えてくれる技となって表舞台に提示されるのですよね。

 ひるがえって、ビジネスパーソンである私たちは、顧客に感動を与えうるだけの“猛稽古”を、日頃できているでしょうか?

そんなことをこのドラマ・アナロジーで私はいつも思い、自戒の念を抱いています…。

今回の社長を目指す法則・方程式:

“メンバリング”=適切な採用+適切な場の提供(×動機付け×育成)

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