IT風土記

福島発 エネルギーの地産地消で復興目指す (2/3ページ)

12法人・団体が連携

 町の玄関口であるJR新地駅周辺の復興整備では約10ヘクタールのエリアに宿泊施設や温浴施設を建設するほか、フットサル場、ホールや会議室などを備えた複合交流センター、農業生産施設などの建設が計画されている。温浴施設の開設に向けては、温泉の掘削にも成功した。

 「被災者の生活再建とともに町の賑わいを取り戻すことは復興の大きな柱。駅周辺の復興整備では『エネルギーの地産地消』にも取り組んでいる」と新地町都市計画課の加藤伸二課長は話す。

 新地町は昨年、エネルギー供給会社「新地スマートエナジー」を石油資源開発(JAPEX)や京葉プラントエンジニアリング、NEC、NTTファシリティーズなど11法人・団体と共同で設立、整備エリアにコージェネレーション(熱電併給)システムを備えた「新地エネルギーセンター」を建設した。

 センターには合計175キロワットの発電が可能な5台のコージェネシステムが設置され、天然ガスを熱源に効率的な電力、熱を生み出す。燃焼時の排熱を利用した排熱回収型吸収冷温水機も備え、冷房に利用できる冷水も供給できる。過剰な電力利用を抑え、災害時の電源として役立つ50キロワットのリチウムイオン蓄電池を配置。施設の屋根や壁面には太陽光パネルが張り巡らされ、再生可能エネルギーの活用も進められている。

 エネルギー源となる天然ガスは相馬港にあるJAPEX相馬LNG(液化天然ガス)基地から供給を受ける。18年3月から稼働した相馬LNG基地には日本最大級の23万キロリットルのLNGタンクがあり、海外から輸送されたLNGが備蓄されている。JAPEXは、この基地から宮城県岩沼市につながるパイプラインを敷設して、東北地方を中心に天然ガスを供給しているが、このパイプラインを分岐して新地エネルギーセンターに引き込んでいる。

 「構想では供給エリア内の電力需要の6~7割をまかなうことができると試算しています」と、町のスマートコミュニティ事業を推進する企画振興課の泉田晴平課長は新地エネルギーセンターの概要を説明してくれた。

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