パパ編集部員の育休エブリデイ

(6完)今しか経験できない刹那な時間 何ものにも代えがたい育休生活 (1/3ページ)

SankeiBiz編集部

 昨年5月に第2子となる長男が生まれて始まった半年間の育休生活は、これから先も大事な場面で必ず思い出すであろう、特別で有意義な時間だった。コラムの最終回は私なりに育休を総括し、貴重な体験を少しでも読者の皆さんに役立てていただければと思う。(文・写真 大竹信生)

 復帰後は同僚や他社の知り合い、妻の友人たちから感想を頂く機会があった。「最初は男性が長期育休を取ることに疑問があったけど、旦那さんと子供たちの関係を見ていると“これもいいなあ”って思えてきた」「男性目線だけでなく、女性の意見や気持ちもちゃんと書いてくれている」「うちの旦那にも読ませました」「いい会社ですね。私だったら『本当に帰ってきてくれるの?』って心配になっちゃう」「この連載、楽しく読んでいたからもっと続けてほしいなあ」などなど、非常に嬉しい言葉を頂戴した。私もまだまだ育児歴3年未満なので偉そうなことは言えないが、当コラムを読んでくださった皆さんにとって、私が記した一行や一言だけでも何かのきっかけになったり、お役に立ててもらえれば嬉しいと思って書いてきた。

 長期育休でたくさんのメリット

 いま改めて半年間の育休生活を振り返ると、長かったようで短かったというのが正直な感想だ。毎日のように朝から晩まで育児・家事に奮闘した。子供の体調がすぐれない日や夜泣きをした時は深夜から明け方まで、それこそ“24時間営業”の日々を送り、正直しんどい時もあったが、私にとってはそれらすべてが貴重な経験であり、総合的に見ればとても幸せな時間であった。いい時間は刹那に過ぎるということなのだろう。

 つまり私の結論から言えば、もし事情が許せば、ずばり「育休は取るべし」だ。

 私が長期育休を取得したメリットはことのほか多く、家族全員にとって様々な形で恩恵があった。その最たるものが妻だ。私がそばにいることで妻の負担軽減につながったのは言うに及ばず、それ以上に「いつも隣に夫がいる」という安心感は彼女にとって非常に心強い支えになったはずだ。誰だって不安があるときこそ頼れる人の存在が大きな精神的安定をもたらすことだろう。

 育児に四六時中打ち込んでいたことで、母親の一日のサイクルを熟視することもできた。朝から晩まで子供に掛かりきりで過ごす大変さを理解できるのはもちろん、それが来る日も来る日も続くのだから、妻に対する感謝の気持ちも一層と深まる。私は長女が誕生した時は育休を取らなかったため、仕事で不在となる平日のサイクルはそれほど把握していなかったのだが、今回育休を取ることで、それまで知ることのなかった日々の苦労や偶発的なトラブルを自分自身で体験できたのは、育児の実態をより深く理解する上で極めて有意義だった。

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