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スキー道具に漆や金箔 欧州で斬新ブランドを立ち上げた日本人女性の憂い (2/3ページ)

安西洋之
安西洋之

 欧州の多くのスキーファッションブランドが、機能性を必要とするテキスタイルの供給元として日本のメーカーに頼っている。しかしながら、日本の完成品ブランドが欧州で存在感を獲得している例はほぼない。

 そこで高木さんは、日本の生地と手を活かしたブランドを打ち立てたいと思ったわけだ。

 ぼくは、欧州市場に不案内な日本の企業にはOEMや素材供給の経験を積んだうえで、最終商品のステップに進むことを勧めている。だから、高木さんのようにフランスの高級ファッションの世界をよく知っている人は、ダイレクトに最終商品に挑戦するのが良いと思う。

 彼女がぶち当たった不都合は、日本のテキスタイルメーカーが少量のオーダーに応じるのを渋ることである。

 「発注のさいに割り増し料金を払うと言っているのに、対応しかねます、という冷たい返事が戻ってくるケースが多いです」と高木さん。フランスやイタリアのメーカーでは心地よく対応してくれる生地の長さである。

 彼女が日本のビジネスを案じて語るには、欧州の中堅以下の企業も日本企業の柔軟性のなさや的をはずれた拘りに嫌気をさし、供給元を日本から欧州に変更する事例が散見される、ということだ。

 ぼく自身も他の分野で似たような差異を経験している。即ち、欧州の素材・部品メーカーで供給できる数量や品質の許容レベルと日本の同業メーカーが供給したい数量・品質範囲に差があり、これが中規模レベルの量産を実現する際、日本の最終商品メーカーが不利を被る大きな要因になる。結果、欧州の最終品メーカーが味のある商品をもって市場で注目される。

 日本のビジネスは大企業向きだけに適正化しているのか、と皮肉りたくもなる。これで時代の変化についていけるのだろうか。

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