ローカリゼーションマップ

スキー道具に漆や金箔 欧州で斬新ブランドを立ち上げた日本人女性の憂い (3/3ページ)

安西洋之

 現在、商品のパーソナライゼーションが盛んに語られる。他人とは違うデザインのモノを持ちたいとの欲求は、圧倒的な力をもってきた大量生産システムがもたらす息苦しさをからの解放だとも思う。

 すべてが均一ではなく、アルティザンの手により、若干、それぞれが違う。そうしたモノを身体や心が欲しているのだ。

 だが、大メーカーが免罪符のように提示するパーソナライゼーションに魅力があるともなかなか思えない。なにしろ大きな数を減らし、製品の質をあげるのは至難の技だ。どちらかといえば、高い質を確保しながら生産量を増やしていく、小さなサイズの企業がパーソナライゼーションを考慮するルートの方が成功しやすいはずだ。

 これから世界各地で展開するだろう中規模レベル生産のメインストリーム化は、この20-30年続いてきて高価格+少量と低価格+大量の二極化によって喪失した中間レベルとは違い、新しい表情をもって登場してくるはずだ。

 高木さんの話に戻ろう。

 レインディアのインスタグラムは、これまでブランド構築のためにスキー板やウェアを中心に写真を掲載してきた。

 「ブランドを既に確立した大手はそういう見せ方でもいいのですが、レインディアのようなスタートアップには、逆に私自身がトラベラーとして各地のスキー場でリゾート気分を味わっている写真が受けるようです。だからつい最近、新しいアカウント(@deertheworld)を用意しました」(高木さん)

 パーソナライゼーションは、こういう観点からも必然の流れである。前世紀に理想とされていたものが、徐々に崩れていく音が聞こえるようだ。

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