趣味・レジャー

「ひらパー」人気、自虐的PR「岡田園長」 TDRとUSJ2強時代で活路 (1/2ページ)

 来園者が2年連続で120万人を超え、関西で根強い人気を誇る遊園地「ひらかたパーク」(大阪府枚方市)。人気アイドルを「園長」に起用し、「どこいくねん。ひらパー」(平成30年度)など自虐的PRを展開しながら、地域に根ざした遊園地を模索する。ライバルが次々に閉園していくなか、3年連続の120万人突破も視野に入ってきた。

 「オレにかまわず、滑れ!」。平成30年度冬のひらパーのアイススケート場を舞台にしたテレビCMの一場面。来園者を守るために未確認生物に対し、身をていして叫ぶのは、平成25年3月から「超(スーパー)ひらパー兄さん」、26年3月からは「園長」も務めるアイドルグループ、V6の岡田准一さんだ。

 ほかにも「盛る 来園者10億120万人」のフレーズに笑顔を浮かべるポスター。岡田さんの主演映画「来る」のパロディーだ。思わずツッコんでしまうようなポスターは、これまでも岡田さんが主演する9映画に合わせて制作。会員制交流サイト(SNS)上でも「安定のひらパー」「次は何すんの」と話題になっている。

 大正元年開園のひらパー。路線変更のきっかけは、開園当初から続いた「ひらかた大菊人形展」が菊師らの減少で、平成17年に終了したことだった。

 来園者数は昭和49年の約160万人をピークに、平成23年には87万人まで落ち込んだ。「当時は一つの成功に甘んじていた部分があったのかも」と話すのは宣伝担当の田中逸馬さん(41)。来園者が減る中、企画会議で「できることは何でもやろう」との雰囲気が醸成されていった。

 その一つがシンボルキャラクターとして地元出身の岡田さんの起用だ。「超ひらパー兄さん」の就任要請は「ダメもとだった」(田中さん)が、岡田さんは快諾。アイドルのイメージをあえて裏切るPR戦略が話題になり、若い世代を中心にひらパーの知名度は全国区になった。

 岡田さん頼みだけではない。「子供も楽しめる『ファミリー遊園地』として地域に親しまれる身近な施設を目指す」(田中さん)ことも戦略の一つだった。

 混雑する大型テーマパークに比べて、ゆったりと時間が流れる園内は、地域の公園としての存在感もあわせ持ち、年間パスを利用して地元住民が気軽に訪れる場所になっている。

 田中さんは「テーマパークではないので、さまざまな企画ができるのも強み。『おもちゃ箱』のような園内になるよう意識している」と話している。

Recommend

Ranking

アクセスランキング

Biz Plus