愛知県は24日、野生イノシシを媒介とした豚(とん)コレラの養豚場への感染拡大を防ぐため、県内の山林でワクチン入りの餌の埋設を始めた。野生動物へのワクチン投与は国内初。県は効果を検証しながら、来年2月にかけて計6回行う。
埋設するのは、感染イノシシを確認した同県春日井市など計60カ所。2日間で1カ所当たり40個ほどのワクチンを約100平方メートルの範囲で、深さ5~10センチの穴を掘って埋める。埋設から5日後に食べたかどうか掘り起こして確認する。
同県小牧市の集合拠点では、白い防護服を着た県職員や委託業者がワクチンの入った保冷バッグを肩に掛けて山中に向かった。県職員の一人は報道陣に「国内初なので日本に合ったやり方を検証したい」と述べた。
4月中旬以降に2回目を始める。周辺でのイノシシ捕獲も随時行い、抗体の有無を調べる。岐阜県は25日に埋設を開始する。
豚コレラは昨年9月に岐阜市の養豚場で判明して以降、感染した養豚場の出荷先も含めて計5府県で確認された。