高論卓説

両陛下が築かれた平成の皇室 国民の象徴、代々引き継がれることを願う (1/3ページ)

 今上天皇がご譲位されるのに伴い、美智子皇后陛下も皇后としてのお役目を終えられる。象徴天皇を頂く日本国の一員としてももちろんであるが、僭越(せんえつ)ながら、同窓生の一員としてはそれ以上に、言葉では言い表すことができないほどの感謝と敬慕の念でいっぱいである。

 「将来の皇后陛下」であられる「皇太子妃・美智子さま」を、誇るべきご卒業生として意識したのは、恐らく母校の初等科に入学した当初からであったように思う。後輩である私たちの中には、常に、「美智子さま」のお姿があった。日本国民の心の支柱でもある皇室の、その中心に、いつも先輩のお姿があった。とりわけ、私の世代は、間もなく、天皇陛下に即位される皇太子殿下を始め、3人のお子さま方が同年代ということもあり、このようなことを言っては失礼かもしれないが、皇太子妃・美智子さまから美智子皇后陛下として歩まれた日々の全てが、自分自身の人生、あるいは家族や家庭と重なる。

 特に、成人式を迎えた年に平成の代が始まったことを考えると、皇后陛下としてお務めをなさるお姿は、母校で「それぞれの役割をしっかり生きること」を教えこまれた私にとっては、常に目標でもあった。間もなく、そのお役目に一区切りをつけられようとしている。いつも、私たちの前に、ご自身のお役割に懸命に生きられるお姿をお見せになっていたことに、尊敬の念がやまない。

 新天皇陛下のご即位により、新しい時代が始まる。それぞれの時代に、それぞれの役割が皇室にあるとすれば、私たち国民が、これからの皇室の役割と繁栄をどのように考え、支えていくかは非常に重要である。

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