フィンテック群雄割拠~潮流を読む

既存の世界を一変させた米中のフィンテック サービスの鍵は“PMF” (1/5ページ)

甲斐真一郎

 これまで世界には、今までの常識を全く新しくしてしまうサービスがいくつも登場してきました。業界を一変させること、固定概念を覆すことは、ビジネスの世界で常に起き続けています。もちろんそうした現象は、資産運用系のフィンテックサービスでも起きています。今回は、常識を変えてしまった米中のフィンテックサービスについて書いてみたいと思います。

 運用残高が一時27兆円に達した中国のガリバー

 「常識や固定概念を覆したサービス」という点から、私が注目した事例が2つあります。

 1つ目は中国でアリババが起こした革新です。正確には、アリババの金融子会社であるアントフィナンシャルが起こしたものです。知っている人も少なくないと思いますが、同社はアリペイという電子決済サービスを展開し、大きな成功を収めました。今年の頭には、なんと、ユーザー数が10億人を超えたことを発表しています。しかもこのプラットフォームでは、モバイル決済が3カ月毎に日本円で約260兆円行われており、信じられない額に上ります。

 そして、このアリペイに紐づけられる形で展開された金融商品が「余額宝(ユエバオ)」です。この商品は銀行預金等と比べて相対的に高い利回り水準の債券ファンドなのですが、中国人ユーザーたちに預金代替商品として愛用され爆発的に広まったのです。2013年にスタートしたこのサービス、2018年2月には運用残高が一時27兆円に達し、米最大手金融機関JPモルガン・チェースを抜き、世界最大のMMF(マネーマーケットファンドの略で、安全性の高い債券を中心に組まれた投資信託)の座を得ることに成功しています。

 米ミレニアル世代で爆発的人気誇る株式売買アプリ

 そして、もう1つの事例が、アメリカのロビンフッドというモバイル専業証券会社が提供する革新的サービスです。

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