株・投資

《特別編》老後2000万円問題に向き合う 資産運用系フィンテック10選(前編) (2/5ページ)

甲斐真一郎
甲斐真一郎

 結局、この「2000万円」という数字は、あくまでも目安として出てきたもの。生活費がいくらくらいかかるのかも、何歳くらいまで生きるかも、人によって異なるものというのは、実は多くの人が気づいていることなのではないでしょうか。

 しかし、ネガティブに語られがちなこの問題を僕はあえてファクトはファクトとして、ポジティブな行動に転換する好機と捉えてみたいと思います。この問題は、自分自身のお金のことや生活のあり方、送りたい人生に向き合い、調べてみたり、考えてみたりする良い機会になるはずなのです。

 考えるポイントは、「退職金がいくらもらえるのか?」「会社の年金制度はどうなっているか?」「老後にどんな生活を送るつもりか?」「仕事は何歳まで続けるつもりか?」「定年後も副業をするつもりか?」など、多くあるはずです。1つ1つ洗い出してみて、「本当に必要な老後資金はいくらなのか?」をリアルに考えてみる。すると、将来の生活防衛をする上での戦略を練ることができるのではないでしょうか。

 でも試算をした後、出てきた数字を眺めながら単に不安がっているだけでは問題は解決しません。大事なのは、現時点で自分なりに調べたこと、算出された数字をもとに、もう一歩踏み込んで「じゃあ、何をすればいいか?」を考えて実際に行動に移すことです。

じゃあ、何をすればいいの?

 前提として本質的な話をすれば、老後資金は3つの方法で得られるものと考えられます。その3つとは、「(高齢就業による)労働対価」「私的年金」そして「公的年金」です。現在、この問題で、世間の槍玉にあげられているのは、3つ目の「公的年金」です。そもそもの話をすれば、「健康的により長く働いて稼ぐ」ということもできるし、「私的年金を自分自身で準備する」ということもできるわけで、公的年金だけをあてに老後の計画を立てるという認識は、日本の現状や近い未来の日本の状況ではそぐわなくなってきたと考えられます。

 そして、今、日本人の老後に求められるのが、メディアでも語られはじめている「自助努力」というものです。老後資金を自助努力でどうにかするというのは、つまるところ前述の「長く働く」か「私的年金を準備しておく」かのどちらかを自分の責任でやる必要があるということです。お金の増やし方としては、自分で働いてお金を「預金」しておくことだけでなく、「お金に働かせる」こと、つまり「資産運用をする」ということが挙げられるはずです。

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