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盆踊りに沸く若者 人気の秘密は (1/2ページ)

 「古い」というイメージのあった盆踊りが、若者に人気だ。関西では河内音頭や江州音頭などに代表される踊りの輪に、10代や20代が加わることも珍しくないという。昔ながらの地域の夏祭りだけでなく、集客を狙うイベントなどにも幅広く取り入れられる一方、種類によっては衰退した踊りを後世に継承しようとする活動もある。若者は盆踊りのどこに魅了されるのか。(小泉一敏)

 「いろいろな方に集まってもらえる企画として選んだのが、盆踊りだった」。天王寺公園(大阪市天王寺区)を管理する近鉄不動産の担当者が、そう振り返った。

 エントランスエリアで平成29年に始まった「てんしば盆踊り」。3日間で3千人以上が訪れる人気イベントとなっている。周辺住民だけでなく、日頃から家族連れでにぎわう場所柄が強みだ。

 芝生広場の中央にやぐらを組み、最新のJ-POPを含む豊富な曲目を準備する一方、定番の音頭では地元の盆踊りグループが踊り方を指南。今年は8月2~4日に行われる。

 道頓堀川に浮かべた船や川の周辺を会場にした「道頓堀盆おどりインターナショナル」には、訪日外国人客(インバウンド)も多数参加する。同時に盆踊りをした人数のギネス記録に挑戦したり、カラオケ大会など派手な演出を行ったりと、イベント性を色濃く打ち出しているのも特徴だ。

 若者を中心にこれほど盆踊りに注目が集まる背景には、何があるのか。

 日本盆踊り協会(東京)の代表理事、矢島友幸さん(44)は、会員制交流サイト(SNS)による発信が影響していると指摘する。地域内だけに伝わることの多かった盆踊りが「SNS映えする」などと一挙に拡散し、多様な音楽や振り付けに関心が向けられるようになった。

 一方で矢島さんは「老若男女が同じ場所に集まって会話したり、踊ったりというアナログさが、逆に新鮮に映っているのかもしれない」と分析する。

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