ニュースを疑え

スマホ依存は「情報習慣病」 東大教授が指摘した歴史的性質 (3/4ページ)

 つながりの確認-サルの毛繕い

 「いまもニュースは悪い出来事が多く、人々も知りたがる。中東のホルムズ海峡で何が起きても当面は生活に関係ないのに、何があったのかを知って安心できる。狩猟採時代に比べて現代は情報が生存に関わることは極めて少ないのですが、知りたがるという心の構えはやはりあるのです」

 「対面で会話をしていても電話が鳴ると出たり、着信メールを確認したりしてしまうのも同じです。目の前の相手の話の重要性は分かっているが、電話やメールの内容は分からない。だからとりあえず出てみるという衝動を抑えられないのです」

 --スマホは電話やメール、情報を得るなどいろんな機能がありますね

 「私はコミュニケーションには、役に立つ情報を交換するということと、仲間であることの確認をするという、2つの種類があると思っています。後者はサルの毛繕いにも例えられますが、つながりを確認する行為なのです。あなたのことを大事だと思っているという意図を伝えるのが目的で、内容には特段の意味がない天気の話題などを話すのです」

 「スマホはニュースサイトなどで情報を得ることも、SNSで相手や仲間との結束を確認することができる。信頼を築くための『意図のコミュニケーション』と実質的な情報を得る『内容のコミュニケーション』の両方の欲求を満たすことができる道具といえる。ネット依存になる理由は十分にあるのです」

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