価格は2000万円弱
乗り心地も、天にも昇るような気持ちである。路面にビロードを敷き詰めたような…、という手垢のついた言葉にも説得力がある。たしかに、タイヤがアスファルトに接している感覚がないのだ。路面の凹凸を拾うとフワフワとやさしく上下動することで、路面に接していることがわかるだけで、あるいはリニアかエアで浮いているのではないかと錯覚しそうになった。
販売価格は2000万円を切る。これを高いと見るか安いとするのかは財布の中身によるのだが、世界の超高級セダンが軽々と3000万円級のプライスタグを掲げていることを考えれば、相対的にはとても安いとさえ思える。
御料車から派生したセンチュリーは公用車としての立ち位置ですごしてきた。だがこれからは個人のクルマとして認められていくような気がした。
【試乗スケッチ】は、レーシングドライバーで自動車評論家の木下隆之さんが、今話題の興味深いクルマを紹介する試乗コラムです。更新は原則隔週火曜日。アーカイブはこちら。木下さんがSankeiBizで好評連載中のコラム【クルマ三昧】はこちらからどうぞ。