試乗スケッチ

庶民の感覚を超越したトヨタ・センチュリー ドアの引き心地に初めて感動 (3/3ページ)

木下隆之
木下隆之

 価格は2000万円弱

 乗り心地も、天にも昇るような気持ちである。路面にビロードを敷き詰めたような…、という手垢のついた言葉にも説得力がある。たしかに、タイヤがアスファルトに接している感覚がないのだ。路面の凹凸を拾うとフワフワとやさしく上下動することで、路面に接していることがわかるだけで、あるいはリニアかエアで浮いているのではないかと錯覚しそうになった。

 販売価格は2000万円を切る。これを高いと見るか安いとするのかは財布の中身によるのだが、世界の超高級セダンが軽々と3000万円級のプライスタグを掲げていることを考えれば、相対的にはとても安いとさえ思える。

 御料車から派生したセンチュリーは公用車としての立ち位置ですごしてきた。だがこれからは個人のクルマとして認められていくような気がした。

木下隆之(きのした・たかゆき)
木下隆之(きのした・たかゆき) レーシングドライバー/自動車評論家
ブランドアドバイザー/ドライビングディレクター
東京都出身。明治学院大学卒業。出版社編集部勤務を経て独立。国内外のトップカテゴリーで優勝多数。スーパー耐久最多勝記録保持。ニュルブルクリンク24時間(ドイツ)日本人最高位、最多出場記録更新中。雑誌/Webで連載コラム多数。CM等のドライビングディレクター、イベントを企画するなどクリエイティブ業務多数。クルマ好きの青春を綴った「ジェイズな奴ら」(ネコ・バプリッシング)、経済書「豊田章男の人間力」(学研パブリッシング)等を上梓。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。日本自動車ジャーナリスト協会会員。

【試乗スケッチ】は、レーシングドライバーで自動車評論家の木下隆之さんが、今話題の興味深いクルマを紹介する試乗コラムです。更新は原則隔週火曜日。アーカイブはこちら。木下さんがSankeiBizで好評連載中のコラム【クルマ三昧】こちらからどうぞ。

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