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発達障害の「グレーゾーン」 診断レベルにありながら見落とされているケース (1/2ページ)

 発達障害をめぐり、近年、「グレーゾーン」という言葉がよく使われるようになった。一般的に、発達障害の傾向はあるが診断レベルではないことを意味する。だが専門家からは、本来であれば診断レベルにありながら見落とされているケースもあると指摘する声も。特に発達障害の一つ、自閉症スペクトラム障害(ASD)の中には、外見上は健常者にみえるタイプがあり、「彼らは他者との違いが理解できるために、最もつらい思いをしている」と訴える。

ある意味、誰もがグレー

 発達障害は、ASDや注意欠陥・多動性障害(ADHD)などの総称。主な特性として、ASDには、物事や手順へのこだわりが強い▽コミュニケーションが苦手▽予想外のことが起こるとパニックを起こす。ADHDには、落とし物・忘れ物が多い▽じっとしているのが苦痛▽感情を抑えられない-などがあるが、人によってさまざまだ。

 「人はだいたい、ASDかADHDのどちらかだ」と話すのは、発達障害を専門とする「どんぐり発達クリニック」(東京)の宮尾益知(ますとも)院長。誰もがASDやADHDの素質を部分的に持ち、それが特技や仕事の向き不向きにつながるもので、「全てにバランスのとれた人はいない。そういう意味では、誰もがグレーといえる」。ただし、その素質のために社会生活に支障をきたしている場合は「障害」と診断され、必要な支援を受けることができるようになるとする。

ASDの中の3タイプ

 だが、実際に医師らからグレーゾーンとされている人について、発達障害に詳しい京都大の十一元三教授は「専門医が診れば発達障害、特にASDの診断がつく人が多い」と指摘する。

 自閉症スペクトラム障害(ASD)は、2013年に発表されたアメリカ精神医学界の診断基準。以前は「自閉症」「アスペルガー症候群」「特定不能の広汎性発達障害(PDD-NOS)」の3タイプに分かれていたが、明確に線引きできないとして1つにまとめ、連続体を意味する「スペクトラム」と名付けられた経緯がある。

 十一教授によると、自閉症よりアスペルガー、アスペルガーよりPDD-NOSの方が、障害特性が会話やしぐさなどに表れにくい。例えば、ASDの特性の一つである「パニック」は、自閉症ならば「癇癪(かんしゃく)」として表れるが、PDD-NOSでは「思考停止」「固まる」という様態に。「こだわり」も、前者なら同じ物に執着する「同一性の保持」として表れるが、後者では「正確さや整合性の追求」になるという。

 そのため、ASDの中でもPDD-NOSに近い人ほど障害が見過ごされやすくなると十一教授は指摘。特性が見えにくいことから軽度の障害と思われがちだが、「発現の仕方が違うだけで生活上の困難は同じ。むしろ、他人との違いが自覚できるために苦しみ、周囲から孤立して鬱病などの二次障害を起こしやすい」と強調する。

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