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台風被害でも火災保険がおりない 「知らぬ間に契約切れ」「水害補償なし」 (2/3ページ)

高橋成壽
高橋成壽

 そもそもかつての火災保険は、火事への補償が中心の住宅火災保険と、風水害などすべての補償ができる住宅総合保険のいずれかであった。日本の住宅件数6000万戸に対し、建物火災の発生件数は年間2万戸。2万戸÷6000万戸×100=0.033%となる。日本において、建物火災の発生可能性は、限りなく0に近いのだ。これなら、契約内容を精査するまでもなく、保険料が安ければよいという選択になるだろう。

 しかし、家を建てた30年前と比べ、気候が温暖化し自然災害が大規模化するようになってきた。政府が防災の観点から、自然災害の注意喚起をするほどだ。実際、平成30年の西日本豪雨では、住宅の全半壊が2万戸、床上浸水が3万戸と、5万戸が一度に被害にあっている。一回の災害で5万戸もの建物被害が起きると、隣近所で保険の話にもなるだろう。うちは保険が下りなかったけど、●●さんは保険がおりたらしい、となるかもしれない。

 保険金が出る出ないの違いは、水害の補償がついているかどうかに過ぎないのだが、30年前から保険の見直しをしていないのだから、保険がおりないケースが多いだろう。場合によっては、築35年以上の家であれば、火災保険の期間が終わっていたというケースもあるはずだ。実際に、被災地を取材したテレビ局の話では、保険期間が満了している方がいたということで、保険が終わっていたことに気が付かなかったそうだ。

 例えば自動車保険であれば、1年~3年程度で満期がやってくるので、その都度契約見直しのチャンスが来る。補償を充実させて保険料が高くなるような契約内容に変更する人は多くないだろう。しかし少なくとも保険契約が切れているという最悪のケースには至らなかったはずだ。

 30年も経過すれば、保険会社の統廃合もあり、販売した保険代理店も代替わりによる事業承継、廃業、担当者の退職などいろいろなケースが出てくるだろう。その結果、まったくメンテナンスがされてこなかったということだ。

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