オーダーブックで読み解く外為市場

ドル円108~109円抜け出せば均衡崩壊 ユーロ圏経済指標も材料視 (1/2ページ)

 先週の為替相場は米国債利回りが低下したことにより、米ドルが比較的弱い推移となったのに対し、ユーロはドイツの経済指標が市場予想を上回る強い結果となり、ユーロ圏の景気減速懸念が後退したことにより、底堅い推移となりました。

 一方で円は米中貿易交渉に振り回される動きが多くなっています。前半はネガティブな報道に対し、リスク回避のために買いが強まり、逆に終盤にかけてはポジティブな報道に対し、売りが強まるような動きとなりました。

 今週も引き続き米中関係に関する情報に振り回される可能性があるほか、香港のデモ問題に関する報道にも警戒が強まってきており、最新の報道には十分な注意が必要な状況が続きます。

 また、経済イベントは米国で連邦公開市場委員会(FOMC)議事録が公開されるほか、住宅関連の経済指標が予定されています。いずれも大局への影響は限定的となりそうですが、発表後は不安定な動きとなる可能性もあるため、注意が必要です。

 ユーロ圏ではPMI速報値に注目が集まります。先週のドイツの経済指標に続き市場予想を上回る結果となれば、ユーロ圏の景気減速懸念が後退し、ユーロの下支え材料となりそうです。

ドル円は売買の偏り少なく鈍い動き続く可能性

 では、世界中に顧客を持つ外国為替証拠金取引(FX)会社のOANDA(オアンダ)が提供するオーダーブックで外国為替市場の動向を探ってみましょう。

 オーダーブックはOANDAの顧客の取引状況を公開したデータです。顧客の保有しているポジションの取得価格の水準(縦軸)と割合(横軸)を示す「オープンポジション」と、顧客の未約定の注文の価格水準(縦軸)と割合(横軸)を示す「オープンオーダー」の2種類のデータから成ります。

 ちなみに、ある通貨を買っている状態を「買いポジション」、売っている状態を「売りポジション」といいます。買いポジションを保有している場合、その通貨の価格が取得価格から上昇したら収益が上がり、逆に下落すると損失が発生します。売りポジションを保有している場合は、取得価格から下落すると収益が上がり、上昇すると損失が発生します。FXでは、それぞれのポジションとは反対の売買を行って決済(損益の確定)をする仕組みとなっているからです。

 先週のドル円は一部報道により、米中貿易交渉に関しての期待感が後退したことにより、一時1米ドル=108.23円まで下落する動きとなりましたが、週末にかけては再度米中貿易協議に明るい材料が出てきたこともあり、多少反発して週末を迎えています。

 OANDAのオープンポジションを見ると、売買の偏りは少なく、現在の価格を中心にひし形を作るようにバランスよく分布しており、売買の力が均衡しているような状態となっており、鈍い動きが続く可能性が考えられそうです。

 価格が上下いずれかに動くような状況となり、現在の均衡が崩れるような状況となると、売買のいずれかのポジションが苦しい立場に追い込まれ、損切りの注文(損失を増やさないための決済注文)が増え、価格の方向性が強まる可能性が高まります。

 このため、この均衡が完全に崩れると考えられる10月から続く1ドル=108円から109円の価格のレンジを上下いずれに抜け出すかに注目したいところです。

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