オーダーブックで読み解く外為市場

ドル円は不安と期待が交錯 米中関係で方向感探る展開が続く (1/2ページ)

 先週の為替相場は米国が香港人権法案を可決したことを受け、米中関係悪化への警戒感が高まったことなどにより、安全資産とされる円が比較的強い推移となりました。

 ただし、米中貿易交渉に関しては、ネガティブな報道だけでなくポジティブな報道も出てきており、不安と期待が交錯する状態が続いており、為替相場でも一喜一憂の動きが続いています。

 今週も引き続き、香港問題も含めた米中関係に関する情報に注目が集まり、最新の報道に振り回される可能性があるため注意が必要です。

 経済指標は米国では、国内総生産(GDP)改定値や個人消費支出、消費者信頼感指数などの発表が予定されており、発表後は結果に反応することが想定されますが、偏った結果が続かない限りは米中関係に関する材料に比べると、注目度は薄く、市場への影響は限定的となりそうです。

ドル円は引き続き鈍い動きが続く可能性も

 では、世界中に顧客を持つ外国為替証拠金取引(FX)会社のOANDA(オアンダ)が提供するオーダーブックで外国為替市場の動向を探ってみましょう。

 オーダーブックはOANDAの顧客の取引状況を公開したデータです。顧客の保有しているポジションの取得価格の水準(縦軸)と割合(横軸)を示す「オープンポジション」と、顧客の未約定の注文の価格水準(縦軸)と割合(横軸)を示す「オープンオーダー」の2種類のデータから成ります。

 ちなみに、ある通貨を買っている状態を「買いポジション」、売っている状態を「売りポジション」といいます。買いポジションを保有している場合、その通貨の価格が取得価格から上昇したら収益が上がり、逆に下落すると損失が発生します。売りポジションを保有している場合は、取得価格から下落すると収益が上がり、上昇すると損失が発生します。FXでは、それぞれのポジションとは反対の売買を行って決済(損益の確定)をする仕組みとなっているからです。

 先週のドル円は序盤に一時1米ドル=109円台に乗せる場面もありましたが、上値は重く、すぐに108円台に押し戻される動きとなり、その後は108円台で方向感の鈍い動きが続きました。

 OANDAのオープンポジションを見ると、売買の比率は買いが56%とやや高くなっていますが、現在の価格水準を中心に10月から続く1米ドル=108.00~109.50円の価格のレンジ(価格帯)で構築されたポジションが多く、今週もこのレンジを上下いずれに抜け出すかで価格の方向性を探っていきたいところです。

 価格がレンジを上抜ける動きとなると、売りポジションの損切り(損失を増やさないための決済注文)の買い、価格がレンジを下抜ける動きとなると、買いポジションの損切りの売りが増えることが想定され、価格の均衡が上下いずれかに崩れると、これらの注文を絡め、崩れた方向に方向感が出てくる可能性が高まりそうです。

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