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中南米3通貨が過去最安値 ブラジル・コロンビア・チリの混迷反映

 中南米諸国の政情不安が各国の通貨に波及している。27日の外国為替市場では中南米通貨の下落が加速し、取引高の大きいブラジル、コロンビア、チリの3通貨はそろって過去最安値をつけた。

 コロンビア・ペソは4日続落、チリ・ペソは過去1カ月間で11%下げるなど両通貨の軟調さは際立つ。相次ぐ反政府デモが経済成長を弱めるとの懸念が広がっているためだ。コロンビアではこの1週間に反政府デモが全国に拡大。ドゥケ大統領はデモの沈静化を試みたが失敗した。

 一方、1990年の民政移管後、安定した経済成長を続け「南米の優等生」とされるチリでも、民政復帰以降で最悪の暴動拡大で経済成長が停滞する恐れがある。反政府デモが収束する兆しが見えないことから、同国は11月のアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議と12月の国連気候変動枠組み条約第25回締約国会議(COP25)の開催中止に追い込まれた。

 ブラジルは激しい政局の混乱を免れているものの、27日に通貨レアルが最安値をつけ、同国中央銀行は介入を余儀なくされた。中銀が通貨安に歯止めをかけるためのドルのスポット入札を発表した後、レアルは下げ幅を縮小。入札はここ2日間で3回目だった。

 米ベアリングスのマネーマネジャー、オモトゥンデ・ラワル氏(ロンドン在勤)は2011年初頭から中東・北アフリカ地域の各国で本格化した一連の反政府・民主化運動になぞらえて、「中南米版『アラブの春』と呼ばれるのは一理ある」と指摘。各国通貨の下落について「各国特有の出来事に応じて通貨は調整されている」と説明した。

 多くの投資家の関心を集めているわけではないが、ウルグアイ・ペソは6日続落し、対米ドルで過去最安値付近で取引されている。ウルグアイ・ペソはアルゼンチン・ペソに連動した値動きとなる傾向がある。アルゼンチン・ペソは過去最安値近くで推移している。

 今年は新興国通貨の中で中南米3通貨が最悪のパフォーマンスとなっている。アルゼンチン・ペソが年初来で37%安、チリ・ペソは同15%安、ブラジル・レアルは同9%安と対ドルで大きく下げる中、同0.5%高とかろうじて上昇しているのはメキシコ・ペソのみとなっている。(ブルームバーグ Ben Bartenstein)

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