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駅舎ホテルにおむすびに… 「真田丸」ブームが去った幸村の里、次の策は

 世界遺産・高野山(和歌山県高野町)一帯の活性化に、アクセスの高野線を持つ南海電鉄が力を入れている。戦国武将・真田信繁(幸村)ゆかりの地として知られる麓の九度山(くどやま)町の駅舎を改修し、鉄道ファン向けのホテルをオープンさせるなど、新たな事業を加速させている。3年前に放送されたNHK大河ドラマ「真田丸」のブームが去った中で、にぎわいを創出して観光客を取り戻そうという狙いだ。(山田淳史)

 九度山町では11月2日、高野線の2駅が改修され、ホテルのほか、おむすび販売店がオープンした。九度山駅に開業したおむすび店「くど」は、ガラス越しに見える3つのかまどで米を炊き、県産米をはじめ梅や漬けマグロ、加太ひじき、めはりなど和歌山の食材を使ったおむすびを販売。改札口内外から購入可能で、地酒や書籍も販売している。

 一方、高野下駅の駅舎ホテルは「ニッポニアホテル 高野山 参詣鉄道 オペレーテッド バイ キリンジ」という名で、4人用の「高野」(宿泊料金3万2千円~)と2人用の「天空」(同1万8千円~)の2部屋。

 先行オープンした「高野」は、室内を南海が昭和40年代に製造を始めた車両「7100系」の網棚やつり革、扉などのパーツで装飾。窓からは駅に出入りする電車を眺められる。「鉄道ファンならば一度は泊まってみたい客室」と担当者。

 いずれも専用ウェブサイトで予約。朝食・夕食はなく、宿泊料金は時季により変動する。

 南海電鉄は昨年9月、沿線の活性化を目的に、古民家などを改修した宿泊施設を手がけた実績のある兵庫県丹波篠山市の会社「NOTE」と包括連携協定を締結し、駅舎などの利活用に乗り出した。駅舎ホテルとおむすび店は、その第1弾に当たる。

 九度山町は、関ケ原の戦いで西軍側に味方したため、父・昌幸とともに高野山を経て蟄居(ちっきょ)を余儀なくされた幸村が「大坂の陣」前まで暮らしていた地。幸村を主人公にした「真田丸」が放送された平成28年には、前年の倍以上の約177万人が訪れ、週末には道の駅などの駐車場が満車になり、幹線道路が渋滞するにぎわいをみせた。しかし放送が終わると次第に沈静化し、観光客は減少。

 過疎化も進み、国勢調査によると、町の人口は昭和60年の7395人から平成27年には4377人まで減少。地域の活性化が課題となっている。

 NOTEの藤原岳史社長は今回の駅舎ホテルやおにぎり店のような集客施設を、他の駅でも展開していく可能性を示唆。「山麓の駅を通過するだけでなく、降りては回って、降りては回って-という感じで住民と会話してもらうような仕組みを作りたかった。この沿線が駅を中心にそうした形でにぎわえば」と話している。

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