ヘルスケア

紅茶ポリフェノールがインフルエンザウイルスを無力化する仕組み

 全国的な流行が続くインフルエンザ。紅茶に含まれるポリフェノールに、インフルエンザウイルスを無力化する能力があると話題になっている。医師は手洗いやうがいなどの基本的な対策にプラスし、「ちょこちょことこまめに、ゆっくり飲んでほしい」としている。(小林佳恵)

 ウイルスを無力化

 12月中旬、羽根木インターナショナルプリスクール(東京都世田谷区)を訪ねると、昼寝から目覚めた3~4歳の子供たちに教師が「お茶ですよ」と呼びかけていた。長友蒼(そ)穹(ら)ちゃん(4)は「お茶、好き。おいしいよ」と笑顔で、おやつと一緒にカフェインレスの紅茶を楽しんだ。

 同スクールのロイ・デイリーさんによると、インフルエンザウイルスへの効果を期待して10月から紅茶の提供を始め、1日に数回与えているという。

 紅茶メーカーの三井農林(東京都港区)の研究では、紅茶に含まれる「紅茶ポリフェノール」がインフルエンザウイルスを無力化する能力を持つことが判明した。紅茶とA型のインフルエンザウイルスを混ぜ合わせる実験では、15秒で99・9パーセントのウイルスを無力化させたという。

 同社の研究所によると、インフルエンザウイルスは表面にある「スパイク」と呼ばれる突起物を使って呼吸器粘膜の細胞に侵入する。紅茶ポリフェノールはそのスパイクに付着し、ウイルスが細胞に吸着する力を奪う能力が高いという。

 担当者は「人体で臨床試験をしていないので『予防に効果がある』と確認はできていない」とした上で、「紅茶が口や喉を通過するときに、ウイルスの吸着力を弱めることが考えられる」と話す。

 まずは手洗いうがい

 「インフルエンザを予防するにはまず、手洗いうがいに加え、部屋の加湿や温度を調節し、睡眠や食生活を整えて免疫力を高めることが基本」と話すのは、内科医の石原新菜さんだ。こうした対策を講じた上で、「紅茶を飲んだり紅茶うがいを取り入れてみて」と勧める。

 「こまめに、気づいたときにちょこちょこ飲む。また、口や喉の粘膜に当てることを意識しながら、ゆっくりと飲み込むのがコツ」(石原さん)。特に、人ごみに行く前後などに飲んでほしいという。

 三井農林の担当者によると、砂糖やレモン、ショウガは入れても問題ないが、牛乳や豆乳は「タンパク質が紅茶ポリフェノールの機能を奪ってしまう」。また、ハーブティーには紅茶ポリフェノールは含まれていないので注意してほしいという。さらに、ティーバッグで淹れた後、薄くなった2、3杯目は「紅茶うがいに活用できる」と提案している。

 温かい飲み物が恋しくなるこの季節。好きな茶葉やフレーバーの紅茶でリラックスしながら一息ついて、インフルエンザ対策もしてみてはいかがだろうか。

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