ローカリゼーションマップ

自分が住む外国批判を続けると「コミュニティーに入れないかわいそうな人?」 (3/3ページ)

安西洋之
安西洋之

 この連載でぼくが外国について批判的にどの程度書いたか覚えていないが(何せ、今回で371回目のコラムだし)、そう厳しい表現をしていないように思う。どちらかといえば、日本文化を批判的に描いた方が多いはずだが、それも最近はあまり書かないようにしている。

 誰が違う文化をどう解釈したかという話は積極的に書きたい。まったく当たり前だと思っている現象や考え方が、違った文化の人からみると意外な捉え方がされる。良い悪いはさておき、そういう多彩な解釈の例を書こうとは努めてきた。

 それでも、多分、ある一定の割合の人たちは、ぼくの指摘することを「出羽守だ」とみるだろうことを覚悟している。こういうのは、そう見られないことに気を使い過ぎると、なおさらドツボに嵌る。「いや、ぼくはそういう意味で言ってるのじゃない!」と弁解すればするほど、ろくなことはない。誤解されるなら、それはそれで仕方がない。

 さて、冒頭に紹介した米国人の本、なんとイタリア人に説明しようか。

 「米国人が英語で外に向けて日本文化批判していると分かれば、日本の人も問題を直視するのでは?との思惑で書いたのでは?」とでも言えば良いのだろうか。日本の人は外圧に弱いと自覚していて、それを有効利用する人たちは多いから。

 いや、それではありきたりな解釈に過ぎるかもしれない。もう少し考えてみよう。

安西洋之(あんざい・ひろゆき)
安西洋之(あんざい・ひろゆき) モバイルクルーズ株式会社代表取締役
De-Tales ltdデイレクター
ミラノと東京を拠点にビジネスプランナーとして活動。異文化理解とデザインを連携させたローカリゼーションマップ主宰。特に、2017年より「意味のイノベーション」のエヴァンゲリスト的活動を行い、ローカリゼーションと「意味のイノベーション」の結合を図っている。書籍に『イタリアで福島は』『世界の中小・ベンチャー企業は何を考えているのか?』『ヨーロッパの目 日本の目 文化のリアリティを読み解く』。共著に『デザインの次に来るもの』『「マルちゃん」はなぜメキシコの国民食になったのか?世界で売れる商品の異文化対応力』。監修にロベルト・ベルガンティ『突破するデザイン』。
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note:https://note.mu/anzaih
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ローカリゼーションマップとは?
異文化市場を短期間で理解すると共に、コンテクストの構築にも貢献するアプローチ。

ローカリゼーションマップ】はイタリア在住歴の長い安西洋之さんが提唱するローカリゼーションマップについて考察する連載コラムです。更新は原則金曜日(第2週は更新なし)。アーカイブはこちら。安西さんはSankeiBizで別のコラム【ミラノの創作系男子たち】も連載中です。

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