オーダーブックで読み解く外為市場

米、イラン衝突危機でさらなる円買いも 強まるリスク回避の流れ (1/2ページ)

 年末の為替相場は、米中貿易交渉における第一段階の合意内容に対してトランプ米大統領の署名が近いとの期待感から楽観的な相場となる場面もありました。しかし、年初には米国とイランの軍事衝突への警戒感が強まったこともあり、主要通貨の中では、安全資産とされる円の買いが強まりました。また、「有事のドル買い」により、円以外の主要通貨に対してドルが買われたことにより、ユーロやポンドが相対的に弱い推移となりました。

 今週も引き続き、中東情勢に注目が集まり、本格的な軍事衝突となると、さらにリスク回避の流れが強まる可能性も考えられるため、最新の報道に注意が必要です。

 今週は米国で雇用統計やISM非製造業景況指数の発表が予定されているほか、ユーロ圏では消費者物価指数の速報値などの重要経済指標の発表が予定されています。

 市場の注目が中東情勢に集まっているため、反応は限定的となる可能性も考えられますが、中央銀行の金融政策に影響の大きい経済指標だけに、市場予想との乖離が大きいと市場が過敏に反応する可能性も考えられます。このため、発表前後の値動きには注意が必要です。

 さらなる、下落余地もあり

 では、世界中に顧客を持つ外国為替証拠金取引(FX)会社のOANDA(オアンダ)が提供するオーダーブックで外国為替市場の動向を探ってみましょう。

 オーダーブックはOANDAの顧客の取引状況を公開したデータです。顧客の保有しているポジションの取得価格の水準(縦軸)と割合(横軸)を示す「オープンポジション」と、顧客の未約定の注文の価格水準(縦軸)と割合(横軸)を示す「オープンオーダー」の2種類のデータから成ります。

 ちなみに、ある通貨を買っている状態を「買いポジション」、売っている状態を「売りポジション」といいます。買いポジションを保有している場合、その通貨の価格が取得価格から上昇したら収益が上がり、逆に下落すると損失が発生します。売りポジションを保有している場合は、取得価格から下落すると収益が上がり、上昇すると損失が発生します。FXでは、それぞれのポジションとは反対の売買を行って決済(損益の確定)をする仕組みとなっているからです。

 先週のドル円は下押しが続き、1米ドル=108.00円を割り込む水準まで下押しする動きとなりました。

 OANDAのオープンポジションを見ると、買いポジション比率が60%とやや高く、先週の下押しにより、その多くが含み損を抱えている状況に陥っています。安値を切り下げる動きとなった場合は、買いポジションの損切り注文(損失の拡大を防ぐための決済注文)が増え、下落が勢いづく可能性が考えられ、さらなる下押しにも警戒が必要な状況と考えられます。

Recommend

Ranking

アクセスランキング

Biz Plus