教育・子育て

入試直前に発生する“要らぬ軋轢” 受験のプロが守らせる、3つの「ない」 (1/2ページ)

 模試でどれだけ成績優秀でも、受験本番はなにが起きるかわからない。中学受験塾代表の矢野耕平氏は「私は入試直前期に『受験生のマナー』というタイトルのプリントを必ず配っています。そこに書かれているのは『3つのない』。受験本番で本来の実力を発揮するためには、この『3つのない』が欠かせないのです」という--。

 入試直前期は人間関係のトラブルにご用心

 東京都・神奈川県の私立中学入試が2月1日から幕を開ける。1月には埼玉県や千葉県の私立中学のみならず、地方の私立中学校が首都圏を会場にした入試が始まる。首都圏の大半の中学受験生にとっては中学入試本番まで残すところあとちょっとだ。

 わたしの経営する中学受験専門塾でも連日受験生たちが塾にやってきて、「過去問」の演習やその直しを、さまざまな課題に一意専心している。入試で良い結果を出そうとまさに「追い込み」をかけている折も折、残念ながら子どもの学習意欲をそぐトラブルが起きやすい。

 その舞台は塾ではなく、小学校であることがほとんど。学校の友人との人間関係の「もつれ」である。わたしの塾で過去にあった事例を紹介しよう。

 友人の受験に干渉する受験生の末路

 「ねえ、●●ちゃんは、A中学校が第1志望校なんでしょう? わたしもそうなんだよね」

 ある女の子が小学校のクラスメートからそう話しかけられた。彼女はびっくりした。なぜなら、A中学校を第1志望校にしているのは小学校内では口にしたことがなかったからだ。しかも、そのクラスメートは別の大手塾に通っている。一体、どんなルートで漏れたのだろうか……。

 それ以来、そのクラスメートは彼女から毎日のように志望校や学習状況について話しかけられるようになったという。

 「●●ちゃん、この前の模擬試験の結果はどうだったの?」

 「過去問っていま何年分くらい終わったの?」

 「ほかにどんな学校を受験するの?」

 そんな彼女に応対することが苦痛でたまらない彼女は、わたしのところに相談にやってきた。わたしはこう回答した。

 「人間関係がもつれると面倒だからこう返答するといい。『塾から受験のことは小学校では絶対に話さないという指示が出ているから、詳しくは話せない』と」

 受験した学校がことごとく不合格になってしまった

 その後、クラスメートから彼女を質問攻めにすることはなくなったが、その代わりに、「自己アピール」が始まったという。

 「わたしこの前の模擬試験でA中学校合格可能性80%が出た!」

 「志望校別クラスでかなり上の位置にいるんだよね」

 「『滑り止め』はB中学校とC中学校かな」

 そう話しかけられた彼女は、「聞き役」に徹していたらしい。中学受験が終わり、無事にA中学校の合格切符を手に入れた彼女はこう振り返った。

 「とにかくあの時間は苦痛でした」

 そのクラスメートはどんな顛末を迎えたか。実は2月以降から小学校に通えなくなってしまった。第1志望校のみならず、受験した学校がことごとく不合格になってしまったのだ。そのクラスメートは彼女ひとりを「標的」にしていたわけではない。聞けば、小学校の同級生たちに自分の志望校や成績状況などを言い振らしていた。だから、友人たちの前に顔を出せなくなってしまったのだろう。

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