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春節で30億人大移動 新型肺炎、水際の成田に敷かれる“厳戒態勢”

 世界でさらなる拡散が懸念されている中国・武漢で発生した新型コロナウイルスによる肺炎。中国では、帰省や旅行で延べ30億人が移動するとされる春節(旧正月)の大型連休(24~30日)を控える。春節前に武漢の空港は停止されたが、多くの中国からの観光客が予想される日本の空港では、検疫強化の方針が示されるなど厳戒態勢が敷かれた。観光地でもマスク姿の外国人が目立ち、「備え」が加速している。

 武漢の空港が停止され、直行便を運航する成田空港では、23日昼すぎの便が春節前の最後の到着となった。《咳(せき)や発熱等の症状がある場合や、咳止め剤や解熱剤を服用している場合は、検疫官にお申し出ください》。到着エリアの検査場前には、日本語や中国語などでこう呼びかけるポスターが掲示された。

 検疫官は体表面の温度が色などで識別できるサーモグラフィーのモニターに目を光らせた。モニターは増設され、通常は1人で行う監視を3人体制に増強したという。

 到着した武漢便。乗客によると、機内の座席は半分ほどしか埋まっておらず、乗客らは一様にマスク姿だった。迎える航空会社の担当者にも緊張感が漂った。

 部品メーカーに勤め、武漢に駐在する男性会社員(34)は、現地の空港停止前に妻(26)と生後9カ月の長男を連れ、帰国した。

 男性によると、現地ではマスクが売り切れていたほか、23日未明から市民に移動を控えるよう呼びかけが始められたといい、「ギリギリのタイミングで帰国できた」。ただ、事態の収束は見通せず、「仕事に戻れるかどうか心配だ」と不安をのぞかせた。長野の実家に帰省するという。

 訪日客らでにぎわう観光地でも緊張が広がった。

 「最近、マスク姿の外国人が増えた気がする」。東京・浅草の仲見世通りで和装の服飾や雑貨を扱う女性店主(75)は不安の色を浮かべた。

 浅草で日本文化体験施設や観光人力車を運営する「時代屋」は、施設などにアルコール除菌液を置き、観光客らに手の消毒を促した。ただ、観光客に対応する担当者の言葉が相手に聞き取れなくなる恐れがあり、「営業中のマスク着用は難しい」と訴える。「水際で食い止めてもらうしかない」。他の店主も一様に口をそろえた。

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