教育・子育て

なぜ日本の学校は「お金」について教えないのか 小学生に「起業」をさせたら… (2/3ページ)

 昔の日本を彷彿させるアクション国

 そのころ、立ち上げた会社の中には新聞社が数社あったのですが、毎週、コンテストを行い、1週間ごとに国営新聞社を決めることにしました。国営新聞社になると助成金が出るので、みんなそれを目指します。同時に国営放送局もでき、国営を目指して新聞社と放送局の競争が始まったのです。なぜなら、国営に選ばれることが一番の稼ぎ道だったからです。

 それでも、スーパーデフレは依然として続きます。そして次に何が起こったかと言うと、安いお金で買えるくじが流行り出しました。そう、宝くじです。

 ただ一人、お人好しなのか、そこまで考えていなかったのか、当たりくじを引かれてもそのたびに当たりくじを元に戻していたため、何度も当たりを引かれて倒産してしまった宝くじ会社もありましたが……。

 国営企業になるか、宝くじで一山当てるか。さらに、ほかのギャンブルも生まれ、だんだんとギャンブル王国のような様相を呈してきました。なんだか昔の(今の?)日本を見ているみたいじゃないですか?

 デフレを変えた子どもの一言

 ギャンブル王国になった「アクション国」。それでも、まだまだデフレは続いています。そんなとき、ある総理がデフレ脱却のために一つの政策を打ち出しました。なんと、その子のおじいちゃんが銀行の元副頭取だったそうで、すごく研究してきたのです。

 その子はボクに「ぬまっち、通貨投入しかない」と言ってきました。「お金がいっぱいあれば使うんだから、お金をばら撒まこう」と。さらに、「でも、ただで撒くのはダメだから、漢字テストでいい点を取ったら、銀行からじゃんじゃんお金をあげてほしいんだ」。

 銀行はボクが運営していたのですが、総理の指示だからやってみようということで、その政策を実際に実施しました。さらにオリンピックを開催しようという案も出て、単なるゲーム大会なのですが、みんなでチームをつくって練習し、優勝したチームに賞金を渡すと言うのです。「その賞金も全部、銀行から出して」と、つまりこれも通貨投入ですね。

 総理顔負けの子どもの発想力

 そうして、通貨投入を続けたら、なんとデフレを脱却したのです。みんなお金がたくさんあるから、「じゃあ使おうかな」となって、総理の狙いがバッチリはまりました。

 面白かったのが、この通貨投入を行ったあと、本物の総理の安倍晋三首相がアベノミクスで通貨投入を始めたのです。見事にデフレ脱却を果たした「アクション国」の総理は、そのニュースを見て、「だから言ったじゃん、通貨投入しかないって」という一言。それには思いっきり笑いました。

 デフレを脱却し、今度は金持ちのところにどんどんお金が集まるようになると、土地の買い合いが始まりました。彼らにとっての一等地はボクの席の前。ボクがつぶやくことを聞いたり、席に座ったまま話したりできるので、その土地が何千アクションと高騰したのです。

 また、金持ちが生まれると、当然、貧乏な子も生まれてしまいます。中には、借金をしないと生活できない子も生まれてしまいました。そんな中でも、さらにさまざまな仕事は生まれていきます。ギターがうまい子をプロデュースしてコンサートを開き、帽子にお金を入れてもらう子や、コンクールに出るようなチェロがすごく上手な子は特別コンサートを開いてくれました。

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