容易に手に入らないとなると、ますます欲しくなる
ガラパゴスな加熱式タバコは、世界的には電子タバコと同一の扱いを受けることが多い。しかし、日本では薬機法(旧薬事法)により、ニコチン入りの電子タバコの販売が認められていないことから、日本での電子タバコは、実質、タバコとは呼べず、アイコスを販売する「フィリップモリスジャパン」などは、加熱式タバコと電子タバコは別物だとアピールを強めている。
今回は電子タバコについてはあまり触れないが、現在の電子タバコを発明した発祥国中国でも昨年11月、オンラインも含めた販売が禁じられてしまっている。そのため、今後アイコスが中国国内で販売認可される可能性は極めて低いと考えられる。
しかし、容易に手に入らないとなると、ますます欲しくなるのが人間の性だ。
日本国内でアイコスブームが起こった1年半前、アイコスは生産が追いつかず、公式サイトでも1人1台ずつ、空港の免税店を除き日本国内在住者限定で販売されていた。結果、転売が流行り、19年1月に1万6980円のアイコス3のマルチセットが中国人向けに3万円ほどで売買される現象が起こっていた。
中国人が好むのは金色。続いてネイビーのような濃い青となるが、現在は、公式サイトで1人2台まで、なによりもコンビニエンスストアで外国人でも台数制限なしに買うことができるようになったので、中国人向けのプレミアム化は終焉している。それでも日本へ頻繁に来られない人のニーズは健在で、多少色を付けた価格で転売されているようだ。
冒頭のシステム開発会社を経営する張さんは、喉の調子がいいと家族や社員には言い訳していると笑いながら話し、アイコスのタバコを買うために出張予定を組むくらいアイコス愛が止まらない。(筑前サンミゲル/5時から作家塾(R))