お金で損する人・得する人

知らないと損 サラリーマンを襲う所得税増税の防衛策を伝授 (2/3ページ)

高橋成壽
高橋成壽

 実際は、基礎控除が10万円増えていますので、マイナス25万円+10万円となり、所得控除の増減はトータルでマイナス15万円となります。ややこしいのですが、増税です。税金を増やすと知っていたら、反対しそうな内容ですが、一般的に所得税の知識が豊富な人はほぼいませんので、説明しても理解してもらえないかもしれません。知っていたとしても、高所得の人限定なので賛成の人もいるでしょう。消費税のような大問題にならずに、スムーズに増税になった印象です。財務省では給与所得控除の適正化と表現しています。ただし、子育て世帯では増税負担がなくなる仕組みです。

・高所得者高齢者の公的年金控除の引き下げ

 年金収入が1000万円以上ある人(全国で3000人程度)、年金以外の収入が1000万円以上ある人(全国で20万人程度)となります。後者は賃貸収入や事業収入がある人を想定しているのかもしれません。シニアで収入の多い人から税金を納めてもらおうという趣旨でしょう。そもそもの対象者が少ないですから、反対者は少ないでしょう。年金収入だけで1000万円以上ある人は、筆者も出会ったことがないくらい珍しい方々です。財務省では公的年金等控除の適正化と表現しています。

・超高所得者の基礎控除消滅

 年収2400万円以上の人は、基礎控除が段階的に減ります。年収2500万円を超えると基礎控除が0円になり消滅します。この所得帯の人たちは、給与所得控除の減少に加えて、基礎控除が消滅することで、増税の影響を最も受けます。財務省では、基礎控除の適正化と表現しています。

 得した人、損した人

恩恵にあずかり納税額が減る人

・自営業、フリーランス

基礎控除が増えるため、減税の効果があります。

損も得もしない人

・年収850万円以上の子育て世帯

※結果として減税と同じ効果

増税で納税額が増える人

・年収850万円以上の人

・年収2400万円以上の人

・年金収入1000万円以上の人

・年金以外の収入が1000万円以上ある人

 今後、損する可能性のある人

 ご自身の年収が850万円未満の方は他人事だと思うでしょう。しかし、実は今後さらなる増税が導入される恐れがあります。

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