試乗スケッチ

Aクラスの試乗会を富士で?とナメていたら、AMGが過激すぎてヤケドした件 (2/2ページ)

木下隆之
木下隆之

 驚愕のスピードとコーナリング性能

 実際には走らせると、富士スピードウェイの直線で263km/hに到達した。5リッターだ6リッターだのスーパーカーなら理解できなくもない。だがA45 S 4マチック+は、青山あたりをトロトロ流しているキュートなAクラスなのである。それがただならぬ速度で駆け抜けるのだから恐れ入る。

 しかも驚きは、コーナリングが整っていることだ。4WDの悪癖の一つが抑えられているのである。アンダーステアが顔を出さないのだ。

 というのも、前後へのパワーを最大「フロント100:リア0」から「50:50」までオートでコントロールさせる。しかもリアタイヤへ導かれるパワーは、左右に可変する。ドライバーがもっと曲がりたいと意思を伝えれば、パワーを適切なタイヤに分け与えて整える、といった芸当をこなすのである。

 アンダーステアが軽微というレベルではなく、むしろテールをスライドさせ、時にはカウンターの必要に迫られるほど、挙動の出し入れは自由自在なのである。もちろん電子制御モードは「レース」である。

 F1レースも開催したグランプリサーキットを、縦横無尽に駆け抜けることができた。1.5kmものロングストレートがアッという間に過ぎ去ったのである。AMGが、こんな小粒なAクラスにまで、世界一過激な魂を注ぎ込んでいることに驚かされた。

木下隆之(きのした・たかゆき)
木下隆之(きのした・たかゆき) レーシングドライバー/自動車評論家
ブランドアドバイザー/ドライビングディレクター
東京都出身。明治学院大学卒業。出版社編集部勤務を経て独立。国内外のトップカテゴリーで優勝多数。スーパー耐久最多勝記録保持。ニュルブルクリンク24時間(ドイツ)日本人最高位、最多出場記録更新中。雑誌/Webで連載コラム多数。CM等のドライビングディレクター、イベントを企画するなどクリエイティブ業務多数。クルマ好きの青春を綴った「ジェイズな奴ら」(ネコ・バプリッシング)、経済書「豊田章男の人間力」(学研パブリッシング)等を上梓。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。日本自動車ジャーナリスト協会会員。

【試乗スケッチ】は、レーシングドライバーで自動車評論家の木下隆之さんが、今話題の興味深いクルマを紹介する試乗コラムです。更新は原則隔週火曜日。アーカイブはこちら。木下さんがSankeiBizで好評連載中のコラム【クルマ三昧】こちらからどうぞ。

Recommend

Ranking

アクセスランキング

Biz Plus