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コロナ対策、先進国と途上国の格差大きく G20指導力にハードル

 【カイロ=佐藤貴生】20カ国・地域(G20)はテレビ会議形式の首脳会議の後で出した声明の冒頭で、新型コロナウイルス感染の世界規模の拡大に「団結の精神」で立ち向かう意思を示した。保健や医療、財政のレベルに大きな差がある先進国と貧困国が同じ危機に直面するなか、指導力を発揮すべきG20には高いハードルが待ち受けている。

 声明によると、関係国の財務相と保健相が数カ月のうちに合同会議を行い、世界保健機関(WHO)の報告の下で必要な医療、財政支援を協議する見通しだ。

 声明で、G20首脳は「タイムリーで透明性ある情報の共有」の必要性を訴えた。欧州の先進各国でさえ感染者・死者数に開きが生じているなか、国境を越えて広がる「見えない敵」との戦いに情報共有が欠かせないことは間違いない。

 しかし、感染拡大の原因をめぐって米中が批判し合う事態となっているほか、イランなど実態を隠蔽していると指摘される国もある。事実に基づく情報の共有を実現しなければ、収まった感染拡大の再発などで「いたちごっこ」が世界中で続く恐れもある。

 また、声明はアフリカでの感染拡大を「深く懸念する」と表明した。アフリカでも貧しい国が多いサハラ砂漠以南では検査態勢が整っていない上、医療機関がごく少数しかない国もあるとされる。感染者・死者数の把握さえおぼつかないのが実情だ。

 紛争や貧困に端を発する難民や避難民への対処も不可欠だ。シリア内戦では560万人が難民となり、ミャンマーの少数民族ロヒンギャは70万人以上がバングラデシュに避難した。リビアなどから密航船で欧州を目指す人の流れも絶えず、こうした集団では感染が一気に広がりかねない。

 ロイター通信は当事国の政府筋の話として、通常のG20首脳会議でも意見の相違を埋めるために数カ月前から準備を行っているとし、テレビ形式の会議だけで細部を詰めた合意に達するのは難しいとの見方を伝えた。

 差し当たり連帯を確認したが、G20が実効性ある対策を打ち出せるかは今後、どれだけ結束できるかにかかっているといえそうだ。

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