教育・子育て

休校か再開か、新学期を控え揺れる自治体 「判断基準難しい」

 新型コロナウイルスの感染拡大防止策を検討する政府の専門家会議が示した「感染拡大警戒地域では一斉休校も検討すべきだ」との見解から一夜明けた2日、新学期を控えた各自治体は、学校の「再開」と「休校」で判断が分かれた。終息が見通せず感染状況が刻一刻と変化する中、担当者からは「判断基準が難しい」との声も漏れる。

 東京都立学校の5月6日までの休校措置延長を受け、小中学校を所管する区市町村では2日、対応に追われた。感染者の多い中央区は5月6日までは小中学校ともに休校するが、その間、学年ごとの登校日を定める方針を決めた。世田谷区も各学年で3日ごとに半日の登校日を設ける分散登校を実施し、5月7日からの再開を目指す。

 多摩市は感染者は出ていないが、5月6日まで小中学校を休校することを決めた。同じく感染者が出ていないあきる野市は今月7日以降に再開する予定で検討しているという。

 休校延長の動きは全国にも広がる。感染経路不明の症例が増加傾向にある大阪府は府立学校の休校を5月6日まで延長することを決定。週1~2回、登校日を設け、健康状態などを確認する。感染者数が急増している福岡市の市教育委員会も「予断を許さない」として、市立小中高校と特別支援学校を今月17日まで臨時休校にすると決めた。

 感染者の死亡が最も多い愛知県は、名古屋市内の県立高校で始業時間を1時間程度遅らせる時差登校を実施すると各校に通知した。

 一方で予定通り再開する自治体も多い。千葉県教委は集団感染が発生した障害者福祉施設の周辺7市町13校は今月12日まで休校とするものの、それ以外は今月6日から再開。2月27日の国の臨時休校要請後も通常授業を続けた栃木県茂木(もてぎ)町の小中学校は今月8日から開始する。

 英国風パブでクラスター(感染者集団)が発生したと認定した仙台市。市教委は、外国語指導助手(ALT)の感染者が出た2校を除き、市立学校を今月8日に再開する予定だ。ただ、市の担当者は「状況が刻々と変化している。再開を延期するかの明確な判断基準も、現在のところ定まっていない」と困惑した様子だった。

 専門家会議で医療提供態勢が切迫していると指摘された兵庫県では予定通り県立学校を8日から再開する方針。3月27日段階で「クラスター封じ込めの効果があらわれてきている」(井戸敏三知事)というのが理由だったが、ここにきて経路不明の感染者が増加。県教委の担当者は「このまま休校措置を続けた方がいいという声も多い」としており、状況によっては再開方針の変更もあり得る。

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